環境問題を哲学する

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  • 笹澤 豊
  • 四六上製 256ページ
    ISBN-13: 9784894343689
    刊行日: 2003/12

環境問題はなぜ「問題」なのか?

気鋭のヘーゲル研究者が、建前だけの理想論ではなく、我々の欲望を踏まえた本音の部分から「環境問題」に向き合い、既存の環境経済学・倫理学を超え、環境倫理のより強固な基盤を探る!




目次

第一章 ヘーゲル国家論と地球環境問題

1 30年という時間
2 国家間の関係 ―― カントとヘーゲル
3 「欲求の体系」の拡大と国家の形骸化
4 国家はなぜ存在するのか ―― 市場と国家
5 国民の価値観と国家の行動
6 未来世代に対する責任
7 変わりうる価値観と経済社会構造
8 南北問題と環境問題の同時解決

第二章 飢餓と民主主義の倫理

1 食糧問題と 「救命艇倫理」
2 他者と共同する利己主義者
3 貧富をめぐる正義 ―― ロールズとノージック
4 リバタリアニズムをいかに論破するか
5 民主主義の倫理としての互恵の原則
6 民主主義の倫理と国境の壁
7 利他主義の 「理由」
8 利己主義の弁証法
9 「救命艇」 か 「宇宙船」 か

第三章 未来問題という難問

1 「冬のコガネムシ」 としての未来世代
2 「未来世代の権利に対する我々の義務」 として?
3 非同一性問題
4 「子 (未来世代) に対する親 (我々) の責任」 として?
5 「ご先祖様への恩返し」 として?
6 「真に人間として存在する義務」 として?
7 我々の未来へのイメージ
8 未来への志向性を阻むもの
9 未来問題への切札 ―― 「無知のヴェール」
10 「私は明日、 鎌倉時代にいるかもしれない」?
11 起こりうるタイムスリップ
12 すぐそこにある 「未来」
13 「無知のヴェール」 のパラドックス
14 「世代間の正義」 は正しくても受け入れられない?
15 「世代間の正義」 は受け入れられても実践できない?

第四章 環境 VS 経済

1 経済と環境のトレードオフ関係
2 効果をもたない環境税
3 経済規模の縮小以外に方法はない
4 環境保全コストを賄うための経済成長? ―― ドラッカー
5 豊かさをもたらさない経済成長 ―― ラーキンとレオポルド
6 価値観・好みの問題か?
7 雇用を維持したままの経済規模の縮小 ―― シューマッハー
8 シューマッハー構想はなぜ挫折したか? ―― シュネイバーグとグールド
9 シューマッハー構想の真の敵 ―― 未来への不安

第五章 経済から倫理へ、 法へ、 政治へ
―― 環境経済学と環境倫理学を越えて

1 具体化が求められるシューマッハー構想
2 環境を市場化することの不可能性 ―― 環境経済学批判
3 環境税をめぐるアポリア
4 生命中心主義の矛盾 ―― 環境倫理学批判
5 すでに存在する環境倫理
6 費用便益分析のまやかし
7 「自己利益」 とは何か ―― 経済学的人間観の誤り
8 「環境を包含する経済」 か 「経済を包含する環境」 か?
9 地球と人類のゆくえ

あとがき

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