乳がんは女たちをつなぐ――京都から世界へ

価格: ¥2,200 (税込)
[ポイント還元 88ポイント~]
数量:
在庫: 在庫あり

返品についての詳細はこちら

twitter

  • 大津典子 著
  • 四六並製 240頁
    ISBN-13: 9784894345201
    刊行日: 2006/6

乳がんになることは、新しいいのちを生きること。

それは京都の小さな乳がんクリニックから始まった――自ら乳がんの温存手術を受け、同病の友の支えによって生きる力を取り戻した著者が、オックスフォード・ペテルブルグ・ブダペスト各地の患者コミュニティに飛び込み、乳がんを共有するなかでお互いに心を開き、絆を結び直していく女たちの姿を描く。


目次

はじめに

第1章 京都の女たち

1 小さな乳腺クリニックにて
待合室 / 叱られて、 そして乳がん / 女の病棟 /
女たちの十四夜一夜物語 / 夜ごと女たちは優しくなる

2 放射線治療
放射線は怖いけど / 燃える胸 / 情報が患者の命綱

3 乳がん患者の絆
「華の会」 / 病状を測る / 花嫁衣裳のかげで

4 がんとばかりつき合わないで


第2章 逃げ出したい

1 乳がん先進国、 イギリスへ
逃げ出したい / 日本 ―― オックスフォード間のファックス通信 /
命の鮒ずし

2 乳がんを生きる
京の蔭の舞い / 一手先を読んだつもりだったけど / がんを麗しく生
きて / 「うち、 乳がんでよかった」


第3章 オックスフォードの女たち

1 イギリスの医療制度
パンク寸前のホームドクター制度 / ラドクリフ病院の待合室 / 診察

2 オックスフォードの乳がんの友
「胸の友」 の会 / 教会 ―― 助け合いを祈りで繋いで / 乳がんなんか
なんでもない / 乳がんの詩 / 女たちの不満 / リンパ・マッサージ /
イングリッシュ・ガーデンの蔭で

3 イギリスの放射能汚染
グリーナム・コモン / 送電線

4 イギリス式国民健康意識の刺激法
乳がんの書 / 病院の小冊子は啓蒙の書

5 最終診断
MRI (磁気共鳴断層撮影) 検査 / リンパの流れ / イギリス医療よ、 何処へ行く

6 見直される日本食

7 そして6年たって


第4章 サンクト・ペテルブルグの女たち

1 サンクト・ペテルブルグのがん病院
乳房を失って、 モスクワの女たちは今 / 瀕死のサンクト・ペテルブルグ /
国立がん病院

2 がん患者を支えて
「アンチ・ラク」 協会 / サンクト・ペテルブルグの乳がんの友 / ネーリャ
さん / スベトラーナさん / イーラさん / ロシア女性の涙 / がん患者の救世
主、 アンドレイさん / マンサルダ劇場

3 患者の命の拠り所 ―― 賄賂と善意と
マーマのおっぱい / 手術待ち時間の決め手 / ロシア庶民の底力

4 6年しかたたないのに


第5章 ブダペストの女たち

1 医者を変えた女たち
異民族の通過する国 / 予期せぬ病院訪問 / 「ハンガリー・ホスピス協会」 /
医者を変えたブダペストの女たち / ハンガリーの乳がん / 「ハンガリー国
立がん患者協会」

2 ブダペストにあって、京都にないもの
ブダペストのプロテーゼ / 男性もブラジャーを買いに来る

3 リンパ浮腫の救世主
学識をリンパ浮腫治療の実践に活かして / リンパ浮腫とは何か

4 リンパ治療
セント・イシュテバン病院 / リンパ浮腫治療の料金 / 治療方法 / ハンガリ
ーの音楽とバーバラの手 / ボディ・ランゲージは残った / ありがとうブダ
ペスト


乳がんの絆 ―― 「おわりに」 にかえて

あとがき
〔附〕 乳がん小史
参考文献

ページトップへ