プラスチック・ワード――歴史を喪失したことばの蔓延

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  • ウヴェ・ペルクゼン 著
  • 糟谷啓介 訳
  • 四六上製 240頁
    ISBN-13: 9784894345942
    刊行日: 2007/9

日常を侵食する便利で空虚なコトバたち

「発展」「コミュニケーション」「近代化」「情報」など、ブロックのように自由に組み合わせて、一見意味ありげな文を製造できることば。メディアの言説や政治家の発言、そして日常会話にまで侵入しているこのことばの不気味な蔓延を初めて指摘した話題の書、待望の邦訳刊行!


目次

序 文

序 章

偏在するプラスチック・ワード
言語のモノカルチャー化が進む
主要言語さえも支配するプラスチック・ワード
日常言語を歪める疑似科学言語
ことばが現実に与える作用
無定形のアメーバのようなことば
定義することは可能か

第1章 東西世界のプラスチック・ワード

複合的なイメージ

セクシュアリティ

コンテクストから遊離したことば
メタファーとの類似と相違
精神分析における拡張された用法
「セクシュアリティ」 ということばの特徴とは

発 展

「発展」 による 「歴史」 の乗っ取り
科学の威光
「歴史」 を 「自然」 化する作用
自動詞なのか他動詞なのか
プラスチック・ワードの30の特徴
取り替え可能な部品ことば
プラスチック・ワードの判定法
単語自体ではなく用法が問題
単語なのか概念なのか

第2章 プラスチック・ワードは新たなことばのクラスをつくるのか?

ニーチェが指摘した言語の病
言語の抽象化と国家の統一
トクヴィルが見たアメリカ民主主義の言語
歴史を喪失した概念
「情報」 という語の歴史的変化
科学を経過したことによる変質
「情報」 の誇大化
真の科学用法との違い
スローガンとの違い
たんなる抽象語との違い
プラスチック・ワードの新しさ

第3章 新たな現実モデルの建築材としてのプラスチック・ワード

歴代西ドイツ首相の演説の言語
東と西で違いはない
都市計画の言語
周囲をどのように変化させるか
現実を変質させる単純化されたモデル
並べるだけで疑似文が作られる
ガリヴァーの悪夢が現実に
弛緩した言語が生みだす流動的な世界

第4章 現実製造官としてのエキスパート

エキスパートの役割
表面的な専門性の蔓延
「健康」 概念に見みる科学の束縛
日常言語を侵食する3つの領域 ――科学・経済学・行政
メタファーを通じた植民地化
エキスパートのあやつる言語
科学の言語
経済学の言語
行政の言語
抽象語を好むエキスパート
エキスパートとは何か
エキスパートとプラスチック・ワード

第5章 日常言語の数学化

自然科学と日常世界との領域混合
日常言語の 「数学化」
ベーシック・イングリッシュとニュースピーク
数学化からコンピュータ化へ
「技術を判別する人」 の必要性


付 録 プラスチック・ワードの諸特徴


日本語版に寄せて (エーファ・オトマー)
訳者あとがき
参考文献一覧
人名索引

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