ISBN-13: 9784894346819
刊行日: 2009/4
空想的社会科学者フーリエ初の批評!
狂気じみた“難解”な思想。信じるか、信じないか、二者択一を迫るテクスト。その情念と現代性を解き明かす、
初のフーリエ論。
目次
序 章 「空想い」 した人々
共産制のユートピア
3人の 「空想的社会主義者」 たち
理想主義者エンゲルス
科学から空想へ
第?部 フーリエの軌跡
1 協同体と情念引力 ――『四運動の理論』 (1)
閉ざされた言説
文明という災厄
空想的資本主義?
エクリチュールの波動
2 地球の生涯をめぐって ――『四運動の理論』 (2)
詩人フーリエ
社会の一般的運命
数字への偏執
エロス化された地球
3 呼びかけるテクスト ――『四運動の理論』 (3)
永久結婚の不幸
男女関係の経済学
自由競争と協同社会的競争
混沌たる
統一
4 オーウェンとフーリエ ――『家庭的農業的協同体概論』
ニューラナーク綿紡績工場の実験
フーリエの批判
接触の試み
オーウェンとの訣別
5 フーリエの夢想都市 ――『産業的協同社会的新世界』
ファランジュの概念
正立した世界
ファランステールの構造
夢想都市と
その挫折
6 恋愛のポリティクス ――『愛の新世界』 (1)
奇書刊行までの経緯
唯物愛と心情愛
単婚・多婚・全婚
感覚の饗宴
7 美食学の誕生 ――『愛の新世界』 (2)
「過剰」 としての食
ブリヤ=サヴァランとフーリエ
美食法 (ガストロノミー) から美食学 (ガストロゾフィー) へ
持続する欲望
第?部 フーリエの射程
8 拡散する波動 ――フーリエを読む作家たち
豊穣なる創意
「システム」 への関心
当惑と共感
社会主義の覚醒
浸透するフーリエ
9 パサージュの思考 ――フーリエとベンヤミン
パレ=ロワイヤルの衝撃
パサージュの都市
回廊という反転装置
機械装置としてのファランステール
10 変革への意志 ――フーリエとブルトン
『シャルル・フーリエへのオード』
新版 『黒いユーモア選集』
発散と爆発
フーリエを語るブルトン
11 快楽の言語 ――フーリエとバルト
言語の創設者たち
無償のテクスト
「フーリエ語」 を話すこと
「発明家」 と 「作家」
幸福の言説
終 章 いま、 なぜフーリエか
共生と連帯
「反 (アンチ) 歴史」 の夢
あとがき
シャルル・フーリエ略年譜
事項索引
人名索引