- 菊大並製 432ページ
ISBN-13: 9784894347397
刊行日: 2010/04
新しい時代に向けてトータルな知の総合を企図する学芸総合誌
目次
【特集】 「日米安保」 を問う
日米関係に憶う
塩川正十郎
自主性なき 「同盟」 構築の末路 【一記者として見てきた日米安保50年】
中馬清福
米中和解の 「引き出物」 となった日米安保 【沖縄施政権返還交渉の取材メモから】
松尾文夫
〈座談会〉 安保をめぐる 「政治」 と 「外交」 【沖縄米軍基地が問うもの】
渡辺靖+松島泰勝+伊勢?賢治+押村高 (司会=編集長)
「配給された」 平和 【「対等性」 という形式への固執が奪ったもの】
新保祐司
「密約」 の半世紀と日米安保
豊田祐基子
「同盟」 の新しい地平を目指して
岩下明裕
分割された東アジアと日本外交
原貴美恵
日米安保と大陸中国 / 台湾関係 【東アジアにおける 「脱冷戦」 とは何か】
丸川哲史
基地の駐留は 「安全保障」 か? 【沖縄が問う日米関係の真の 「安定」 とは】
丹治三夢
「沖縄米軍基地の戦略的価値」 という神話 【安保論議における政治主導の不在】
屋良朝博
日米同盟と日本の核政策 【論じられ方の変容とその政治学的考察】
黒崎 輝
日米同盟の本質を問う契機 【「人と物の交換」 を再考する時】
中西 寛
日米同盟における 「可測性」 の本質 【戦争の 「遺産」 を踏まえて】
櫻田 淳
誰が、 何を、 守るのか 【地域統合の時代における日米安保】
大中一彌
主権譲渡としての憲法九条と日米安保
平川克美
〈インタビュー〉 朝鮮半島からみた日米安保
李 鍾元
日米安保条約、 ソ連とロシア 【異なる国、 異なる考え方】
ワシーリー・モロジャコフ
等辺に成り得ない日米中の三角関係
陳 破空 (及川淳子=訳)
日米欧委員会事始め 【日米安保関係のグローバル化の影】
武者小路公
■ 日米安保、 この50年を思う
アジアの視点から観た日米安保
鄭 敬謨
「日米安保」 と日韓問題
姜在彦
大衆ストライキ
河野信子
今の日本で安保を破棄したらどうなるか ――私の提案
米谷ふみ子
自然承認前夜
諏訪正人
身捨つるほどの祖国はありや
篠田正浩
軍事条約に代わる日米関係を
吉川勇一
日本国の怪奇現象 ――国会は 「国家百年の計」 を論議せよ
川満信一
日米戦争と安保改定 ――岸信介の 「執念」
岩見隆夫
60年の 「できごと」
加藤晴久
回顧的 「日米関係論」 私記
藤原作弥
自明ではない 「自明」
水木 楊
日米安保の過去、 現在、 未来
小倉和夫
列島人の愚行、 錯誤そして自殺
西部 邁
米国従属と沖縄差別の半世紀
三木 健
50年前の安保闘争と今後の日米安保
榊原英資
それでもしばらくは堅持すべき
中谷 巌
【小特集】 天安門事件と 「08憲章」 を考える
――『天安門事件から 「08憲章」 へ』 の著者、 劉暁波氏に「国家政権
転覆扇動罪」 で懲役11年の判決。 われわれは何をなすべきか?――
日本の読者へ
劉 霞 (劉暁波夫人) (及川淳子=訳)
われわれにとって、 中国の民主化とは何か 【なぜ黙っているのか】
子安宣邦
劉暁波とは誰か
劉 燕子
「08憲章」 と中国の知識人
及川淳子
● 緊急特別インタビュー
民主党政権の半年をどう見るか 【 「戦後」 との訣別 】
御厨貴
・「党内の権力闘争を経なくては、 “学級会政治” から脱却はできない」
――当代随一の政治学者が説く民主党の課題。
● 寄 稿
大逆事件と作家たち ――冬の時代の表現者
尾形明子
3人の少年 ――吉田松陰、 R・L・スティーヴンスン、 大佛次郎
よしだみどり
真珠湾攻撃とは何だったか?
開米潤
地球温暖化と“クライメートゲート事件” 【懐疑派は学会の正規のリングで議論を】
相良邦夫
● ミシュレの魅力と「新しさ」――『フランス史』発刊によせて――
邦訳不可能といわれた大著『フランス史』の全貌!
大野一道
● 連 載
■ 新連載
天に在り ――小説・横井小楠1【立志の章】
小島英記
―「公共」と「交易」の立場からあたらしい国家と社会を構想した横井小楠。知られざるその人間性と魅力を描き出す新たな試み。―
■ 金子兜太の句 日常茶飯 / 石牟礼道子の句 草道
■ 竹山道雄と昭和の時代 2 「遠州の名望家」
平川祐弘
■ 近代日本のアジア外交の軌跡 9 「反英インド独立運動家に対する日本の態度」
小倉和夫
■ 水の都市論 ――大阪からの思考 10 「楽 園」
橋爪紳也
■ 伝承学素描 17 「神仏習合の課題構図」
能澤壽彦
● 〈書物の時空〉
■ 名著探訪
『高原好日』 (加藤周一 著)
一海知義
『戦国時代和歌集』 (川田 順 著)
佐佐木幸綱
『ヨーロッパ世界の誕生』 (H・ピレンヌ 著)
速水 融
私の日記術
塩川正十郎
■ 書 評
『唐代の国際関係』 (石見清裕 著)
河内春人
【唐代史から世界史へ】
『ヴィーコ 学問の起源へ』 (上村忠男 著)
倉科岳志
【世界に学的にかかわるとはどういうことなのか】
『カヴァフィス 詩と生涯』 (R・リデル 著)
鵜戸 聡
【近代都市 「アレキ」 の多言語文学】
『オスマン帝国500年の平和』 (林佳世子 著)
宮下 遼
【韻文詩が照射する都市社会】
『日本語の正体』 (金容雲 著)
イム・ジョンヒョク
【古代日韓語という遺跡は掘り起こされたのか】
■ 連 載
明治メディア史散策4
粕谷一希
【急進派兆民ブームと戦後】
読者の声 / 執筆者紹介