- 太田素子・浅井幸子 編
- 太田素子・浅井幸子・藤枝充子・首藤美香子・矢島(小菅)直子・梅原利夫・後藤紀子
- 四六上製 344頁
ISBN-13: 9784894348448
刊行日: 2012/2
近代家族の誕生とともに、“保育”はどう行なわれてきたか?
(1)家庭教育・学校教育と“幼稚園教育”との関係、(2)“近代家族”成立との関係、(3)幼稚園・保育所の複線化、(4)専門職としての保育者という視点―― これらの課題に取り組むことで、今日の子どもをめぐる様々な問題解決の糸口を掴む試み。
目次
序 章 「家」の子育てから社会の子育てへ
〔幼稚園・保育所の登場と日本の近代社会〕 太田素子
第一章 幼稚園論争の回顧と展望 太田素子
〈コラム〉乳母――時代とともに 矢島(小菅)直子
〈コラム〉鳩山春子にみる〈家の教育/家庭教育/幼稚園〉 太田素子
第二章 保育記録の成立と変容〔『婦人と子ども』を中心に〕 浅井幸子
〈コラム〉子どもの遊び――絵をみる・おはなしを聞く楽しみ 矢島(小菅)直子
〈コラム〉『高関堂日記』にみる父親としての変容 太田素子
第三章 家庭教育論成立への模索〔堺利彦に着目して〕 藤枝充子
〈コラム〉教育者としての光源氏 矢島(小菅)直子
〈コラム〉福沢諭吉の家庭教育論──『童蒙教草』と「ひゞのをしへ」に注目して 梅原利夫
第四章 玩具の誘惑、玩具の呪縛
〔1920年代から30年代の「児童文化」をめぐって〕 首藤美香子
〈コラム〉お伽草子――うりひめと『瓜姫物語』 矢島(小菅)直子
〈コラム〉幼稚園唱歌事始め 後藤紀子
第五章 社会的保育の登場と「自治共同(協働)」の探求 太田素子
〈コラム〉捨てられる子ども・売られる子ども 矢島(小菅)直子
〈コラム〉『民事慣例類集』(1877年)にみる子育ての習俗 太田素子
終 章 社会で育てる時代への課題 浅井幸子
関連情報
■ 明治以来近代的な「家庭」と「近代的な子育て」の創出へむけた営みのなかで、それへの「模範」を提供するために、あるいはその「補完」のために 保育の制度化が進められた。その後、家庭教育と保育制度は各々独自性を確立したかに見えたが、近代的な家庭教育の行き詰まりが誰の目にも明確にな りつつある今日、再び保育制度もこれまでの役割の改編か修正を余儀なくされている。
■ 本書の課題は、明治日本が近代化の過程で追求した「家庭」像および「家庭教育」の理念と、保育制度成立の内的な関連を明らかにし、今日両者が直 面している変動の性格に成立史の側から光を当てることである。個々の論文は限定されたテーマを扱っているが、「神は細部に宿る」という言葉のよう に、限定されたテーマを扱いながらも、現代の子育てと保育の課題解決への視野が広がるようでありたいと考えている。
■ 本書が対象とする時代は、一八九〇年代からテーマによっては一九三〇年代に及ぶ。基本的には、それぞれの領域で近代社会特有の家族の登場と保育 制度の成立へ向けた典型的な実践、取り組みを取り上げて分析することで、近代的な「家庭」と「保育」の特徴及びその内的な関係を考察したいと考え ている。
(本書より)
■ 本書の課題は、明治日本が近代化の過程で追求した「家庭」像および「家庭教育」の理念と、保育制度成立の内的な関連を明らかにし、今日両者が直 面している変動の性格に成立史の側から光を当てることである。個々の論文は限定されたテーマを扱っているが、「神は細部に宿る」という言葉のよう に、限定されたテーマを扱いながらも、現代の子育てと保育の課題解決への視野が広がるようでありたいと考えている。
■ 本書が対象とする時代は、一八九〇年代からテーマによっては一九三〇年代に及ぶ。基本的には、それぞれの領域で近代社会特有の家族の登場と保育 制度の成立へ向けた典型的な実践、取り組みを取り上げて分析することで、近代的な「家庭」と「保育」の特徴及びその内的な関係を考察したいと考え ている。
(本書より)