- 鈴木順子 著
- 四六上製 352頁 口絵8頁
ISBN-13: 9784894348752
刊行日: 2012/9
“複雑な多面体”ヴェイユの全体像を捉える初の試み。
●第5回「河上肇賞」本賞受賞作
「権利」概念に対する「義務」、「人格主義」に対する「非人格」を基盤にした思考など、近代的人間観の矛盾を根底的に問うたヴェイユの思想の核心とその現代的意義を鮮やかに示す気鋭の野心作。
目次
はじめに
序 章
第一章 犠牲観念の誕生
一 暗き時代の青春――一九三〇年代のヴェイユ
二 犠牲観念の深化の要因
三 聖書、キリストとの出会い
四 神を知る、神を食する
五 神秘体験再考
第二章 諸宗教における犠牲
一 諸宗教研究の中心にある犠牲
二 新しい知の影響と犠牲
三 「犠牲」を軸にした包括主義
第三章 社会における犠牲
一 最晩年のヴェイユ
二 集団に対する自己犠牲への批判
三 犠牲と「善への愛」
四 社会思想の中の義務
終 章
あとがき
注/シモーヌ・ヴェイユ略年譜(1909-43)/主要参考文献/人名・神名等索引