ISBN-13: 9784894349032
刊行日: 2013/02
「素顔」幻想をぶっ飛ばせ!
当初は「顔」をほとんど描かなかった岡本太郎が、晩年の作品の実に8割以上で「顔/仮面」と直接関連するものを描いたのはなぜか。
増殖する「顔/仮面」は自己模倣と見なされ、従来はほとんど評価の対象外だった。
しかし「僕の絵は仮面ですよ」と断言した岡本の思想の核心は、この「仮面」にある。
巨人・岡本太郎に斬新な光を当てた、気鋭による野心作。
目次
はしがき
序 章 運動としての仮面
第一章 芸術の全体性を求めて
第1節 顔から逃れて――抽象絵画と超現実の眼
第2節 俗なる聖として
第3節 二十世紀の仮面――バタイユとブルトンの仮面
第4節 芸術の全体性を求めて
第5節 打撃
第二章 メタモルフォーゼの契機
第1節 デフォルメする身体
第2節 カメラ/仮面の眼
第3節 映像の衝撃――日常に現れる異界
第4節 アニメーションと仮面効果
第三章 生み出される仮面
第1節 対極――縄文の相貌
第2節 転換――哄笑する土の「顔」
第3節 未成のマスク
第4節 触覚――回路をひらく
第四章 〈爆発〉の面
第1節 仮面の原色
第2節 〈爆発〉の面
第3節 〈爆発〉のマスク――太陽の塔
第4節 〈おもて〉としての絵画
結 章 生をひらく〈仮面〉
あとがき
注/図版一覧