稀代のジャーナリスト 徳富蘇峰 1863-1957

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  • 杉原志啓 富岡幸一郎 編
  • A5並製 328頁
    ISBN-13: 9784894349513
    刊行日: 2013/12

近代日本言論界の巨人、その全貌。徳富蘇峰生誕150年記念企画!

明治20年代、時代の新思潮を謳う新進の思想家として華々しく論壇へ登場、以後政治・経済・社会・文学・歴史など広範な領域において旺盛な言論執筆活動を繰り広げ、また『国民之友』『国民新聞』を発行・経営し、多くの後進ジャーナリストを発掘・育成。そして『近世日本国民史』全100巻で、日本という国家の歴史を描きえたこの巨人の全体像に迫る。


目次

はしがき  杉原志啓

I 徳富蘇峰と近代日本
 近代日本精神史に於ける徳富蘇峰 桶谷秀昭
 蘇峰と「日本」〈インタビュー〉 保阪正康
 近代日本史を描きえたジャーナリスト〈インタビュー〉 松本健一
 徳富蘇峰と戦後日本〔反時代的考察の行方〕 坂本多加雄

II いま、なぜ徳富蘇峰か
 徳富蘇峰の全体像〔ジャーナリスト・新聞雑誌経営者・思想家・歴史家〕 杉原志啓
 蘇峰の原郷〔熊本から見たその生涯〕 井上智重
 新島襄と蘇峰 伊藤彌彦
 徳富蘇峰『吉田松陰』と「維新」の行方 桐原健真
 蘇峰と明治の政治家たち〔大隈重信・山県有朋・伊藤博文〕 西田毅
 蘇峰の欧米視察 齋藤洋子
 タテマエの「立言者」徳富蘇峰 有山輝雄
 蘇峰の対英米観の変遷 澤田次郎
 徳富蘇峰と長谷川時雨・吉屋信子 尾形明子
 徳富蘇峰における明治天皇と昭和天皇 梶田明宏
 『終戦後日記』を読む 富岡幸一郎
 蘇峰と現代 杉原志啓
 いま、なぜ徳富蘇峰か〈鼎談〉 杉原志啓富岡幸一郎新保祐司

III 蘇峰をめぐる人々
 横井小楠(松浦玲)/勝海舟(松浦玲)/福沢諭吉(本井康博)/福地桜痴(山田俊治)/
 山路愛山(杉原志啓)/北村透谷(新保祐司)/徳冨蘆花(吉田正信)/
 大川周明(昆野伸幸)/正宗白鳥(富岡幸一郎)/与謝野晶子(小嶋翔)/
 高群逸枝(丹野さきら)/三宅雪嶺(中野目徹)/正力松太郎(竹内洋)
 蘇峰先生と私(松井純)/蘇峰宛書簡をめぐって(塩崎信彦)

《資料》
 略年譜/蘇峰死去の当日・翌日新聞に掲載された「晩晴草堂小話」/
 徳富蘇峰関連系図/徳富蘇峰周辺の人脈一覧/著作目録

関連情報

 いま、なぜ徳富蘇峰か
 平成25年の今生誕150年を迎えた稀代のジャーナリスト、蘇峰徳富猪一郎。明治維新の直前といってよい文久年間に生まれ、戦後の昭和32年まで、近代日本を代表する言論人のひとりとして95年の長きにわたる生涯を生き抜いた蘇峰は、明治20年代、時代の新思潮を謳う新進の思想家として華々しく論壇へ登場。以後政治・経済・社会・文学・歴史など、じつに広範な領域において旺盛な言論執筆活動に精励、その一方でわが国初の総合雑誌となる『国民之友』と『国民新聞』を創刊し、多くの後進ジャーナリストの発掘・育成につとめ、一思想家というにとどまらず、近代日本のジャーナリズムを草創する大きな役割を担ったのである。(…)
 蘇峰の思想的生涯をふり返ってみれば、自由貿易論から帝国主義論、親米から反米そして再びの親米、愛憎親疎の半ばする中国問題、明治憲法から日本国憲法への転変、アメリカ型民主主義と異なる日本的民主主義への執着、さらにはこれらの諸問題の根底にあった「皇室中心主義」など、いまさらのようにそこに今日的課題へダイレクトに通底する事柄の多さに気づくだろう。すなわち、蘇峰の長大な活動は、単に近代を生きた日本人の生涯へそのまま重なるだけでなく、さらなる激変をみつつある現代の国内・国際情勢を読み解くうえでも、本書は、貴重かつ重要な示唆・教訓・指針を与えてくれるはずである。
(杉原志啓)

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