〔学芸総合誌・季刊〕環――歴史・環境・文明 vol.59 [特集]江戸・東京を問い直す

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  • 菊大並製 480ページ
    ISBN-13: 9784894349940
    刊行日: 2014/10

江戸以来の四百年の歴史から、東京の未来像を考える。



目次


■■ 〈特集〉江戸・東京を問い直す ■■

〈座談会〉江戸・東京を問い直す  青山?片山善博中村桂子岩淵令治
東京に森を!〔「潜在自然植生」からみた東京〕  宮脇昭
〈特別論文〉東京における植生科学と環境保護
  〔日本ではじめての国際植生学会から〕  宮脇昭
東京に秘められた水都としての可能性  陣内秀信
東京の基本構造 歴史と展望  青山?
江戸切絵図で歩く  小沢信男
成島柳北を生んだ浅草・蔵前の知的ネットワーク
 〔江戸の蔵書家松本幸彦と幕府の奧儒者成島家〕  楠木賢道
場所の記憶〔東京と文学〕  尾形明子

スニトコ・タチアナ  東京の五次元

ディベロッパーが見た東京
日本橋再生〔「残しながら、蘇らせながら、創っていく」〕  新原昇平(三井不動産)
丸の内百二十年。千年先まで  合場直人(三菱地所)
面的再開発へ  金井聡(森ビル)

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〈小特集〉都市は市民がつくるもの 後藤新平とCh・A・ビーアド ■
都市は市民がつくるもの  Ch・A・ビーアド
チャールズ・ビーアドの東京観とその学問の日本知識人への影響
 〔日米知的交流史のための覚書〕  春山明哲
自治としての東京〔東京自治会館、ボーイスカウトなど〕  中島純
都市「近代化」の枠を超える後藤新平の自治論  鈴木一策
後藤新平『江戸の自治制』を読む  楠木賢道

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アベノミクス以後の日本経済〔景気は良くなるか?〕  片岡剛士

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〈小特集〉トマ・ピケティ著『21世紀の資本論』を読む
レギュラシオン理論から読む『21世紀の資本論』  ロベール・ボワイエ(横田宏樹訳)
19世紀文学から解読する『21世紀の資本論』  的場昭弘

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〈インタビュー〉
エマニュエル・トッドとは何者か〔学問的来歴と世界の見方〕
 エマニュエル・トッド(聞き手・訳・解説=石崎晴己)

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歴史生態学から見た世界史の構図  三木亘

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もはや、日本はオリエンタリズムの世界ではない
 〔世界文学としてのフランス語圏文学、世界文化としての日本文化〕  立花英裕

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〈小特集〉粕谷一希さんを偲ぶ
阿川尚之/東真史/石坂泰彦/今井渉/大石眞/大黒昭/大笹吉雄/大出俊幸/
尾崎護/高坂節三/河野通和/小島英記/小島亮/小玉武/近藤誠一/近藤大博/
佐伯順子/佐々淳行/澤地久枝/杉原志啓/紿田英哉/高田宏/高野之夫/
田久保忠衛/多湖實之/利根川裕/中西寛/根本二郎/春山明哲/藤井宏昭/
細谷雄一/本間千枝子/水谷千尋/三谷太一郎/宮一穂/宮城大蔵/山本和之/粕谷幸子

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■■ 連載 ■■
川勝平太連続対談 日本を変える!  川勝平太
 7 文明の視点から  (ゲスト)伊東俊太郎

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□□ 書物の時空 □□
●名著探訪
上田正昭 『朝鮮母像』(岡部伊都子著)
芳賀徹 『歳月』(茨木のり子著)
森崎和江 『在日』(姜尚中著)
上田敏 『日本文学史序説』(加藤周一著)

●書評
朴才暎 『セレクション・竹内敏晴の「からだと思想」』全4巻

●自著再訪
丹野さきら 『高群逸枝の夢』

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□□ 連載 □□
●フランスかぶれの誕生――「明星」の時代 6
山田登世子 鉄幹の巴里 藤村の巴里

●ナダール――時代を「写した」男 6
石井洋二郎 肖像写真家としての出発

●北朝鮮とは何か 7
小倉紀蔵 日朝関係が東アジア秩序に穴を開ける

●生の原基としての母性 9
三砂ちづる 妊娠中絶

●詩獣たち 16(最終回)
河津聖恵 ガラスの詩獣〔原民喜〕

●伝承学素描 35
能澤壽彦 昭和の深淵 二


金子兜太の句 日常
石牟礼道子の句 野辺の送り

関連情報

 現在の日本の首都、「東京」。この都市は今、さまざまな問題を抱えている。
 その一番の問題は、何よりも「どのような都市にするか」というビジョンがないことである。
 百年前、唯一、東京という都市のビジョンを作った男がいる。後藤新平(1857-1929)である。彼は一九二〇年十二月から二三年四月まで東京市長をつとめ、総合的な視点から「東京」の都市計画を提示した。それは東京を、「世界の中の日本」という意識下に考えたものであって、世界の都市のモデルになりうるものであった。
 後藤新平は、台湾経営や満鉄経営においてもそうであったように、必ず「生物学的原理」にもとづいて、街づくり、国づくりを考えてきた。その「生物学的原理」の根底にあるのが「自治」であり、「自治は人間の本能である」という思想である。
 東京をどのような町(都市)にするのかを考えるとき、必ず「自治的自覚」をもって考えられなければならない。すなわち、「どんな街にしてもらいたいか」ではなく「どんな街にしたいか」である。東京の都市ビジョンは、行政からではなく、都民から出てこなければならない。大震災後、後藤が建設しようとした首都東京は、現在も、新しい東京づくりの軸になりうるし、他の諸都市のモデルにもなるはずである。
 そして東京の問題は、かつて江戸と呼ばれていた時代にまで遡って考えなければならない。首都東京の歴史は一四〇年余であるが、江戸に幕府が開かれて四百年余であり、当時の江戸は、世界のいかなる都市よりも清潔で整った都市であった。今なお、江戸という都市、文化に学ぶべきものは多い。(後藤新平『江戸の自治制』)
 二〇二〇年、再び東京オリンピックが開かれる。新国立競技場の建築計画も二転三転している。ビジョンを欠いたまま進んでいるのだ。本特集は、今後の東京の都市計画を根底的に考え直すことを願って企画した。

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