サルトル伝 1905-1980 下(全2分冊)

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  • アニー・コーエン=ソラル 著
  • 石崎晴己 訳
  • 四六上製 656頁
    ISBN-13: 9784865780222
    刊行日: 2015/4

11カ国語に翻訳された国際的ベストセラーの完訳、決定版!! 20世紀最高の哲学者の全体像。

サルトルは、いかにして“サルトル”を生きたか。
「世界をこそ所有したい」――社会、思想、歴史のすべてをその巨大な渦に巻き込み、自ら企てた“サルトル”を生ききった巨星、サルトル。“全体”であろうとしたその生きざまを、作品に深く喰い込んで描く畢生の大著が、満を持して完訳!


目次

【上巻】
 日本の読者へ
 関連地図
 はじめに

第一部 天才への歩み(1905年~1939年)
 1 ジャン=バチストに照明を
 2 アンヌ=マリーの不幸の数々
 3 お山の大将の私的寓話集
 4 ラ・ロッシェルの生活情景
 5 千人のソクラテス
 6 ただひとりのソクラテス
 7 不機嫌、狂気、そしてあれこれの旅行……
 8 慌ただしい幕間劇――二年間の幸福

第二部 大戦中の変身(1939年~1945年)
 1 カフカ風の戦争
 2 尊大な捕虜
 3 「社会主義と自由」
 4 行き詰まり
 5 「作家としてレジスタンスをしたのであって、
    レジスタンス闘士としてものを書いたのではない……」
 6 無数の若者の精神的指導者
 7 バッファロー・ビルからルーズヴェルト大統領まで
    ――最初のアメリカ旅行――

 原 註
 訳 註
 詳細目次


【下巻】
第三部 サルトル時代(1945年~1956年)
 1 パリ、実存主義の到来
 2 ニューヨーク――サルトル・イズ・ビューティフル
 3 機関室にて
 4 具体的なものとの二度目の衝突
 5 二度目の行き詰まり
 6 鳩と戦車

第四部 目覚める人(1956年~1980年)
 1 みなさんは素晴らしい……
 2 反逆の対抗フランス大使
 3 アンタッチャブル
 4 フローベールと毛沢東主義者たちの間で
 5 モンパルナス・タワーの陰で

 原註/訳註
 〈後記〉反抗的にしてかつ同意的な英雄を追い求めて――校庭に銅像を建てる?
 謝辞
 詳細目次/サルトル年譜
 訳者解説(石崎晴己)
 文献一覧/人名索引

関連情報

すでに1940年に『戦中日記――奇妙な戦争』の中で、「私は世界全体を所有したい」と彼は書いていた。事実、サルトルはその生涯を通じて、疲れを知らぬ旅行者だった。彼の旅の道筋はその一つ一つが、変動する世界へと向けられた眼差し、それについての証言である。
 1950年代の始めに描かれていた世界の地図はやがて砕けて飛び散ってしまうであろうと自覚していたサルトルは、支配する者と支配される者の関係についての鋭敏な自覚が存在していたことを、時代に先駆けて、立証している。それはまさに大文字で始まる〈世界〉の到来に他ならず、われわれが住まうこの惑星への眼差しの変化に他ならない。その惑星の地政学的力関係は、根底的に違ったものとなったのである。サルトルのメッセージは、いまやかつてなく今日的なものとなっているのだ。
(「日本の読者へ」より)

サルトルとは何だったのか、という問いに対して、最も要約的な答えは、「すべて・全体」であろうとする、もしくは「すべて・全体」を包含しようとする途方もない野心、というものではなかろうか。本書冒頭のエピグラフが、『戦中日記――奇妙な戦争』から発掘して来た「世界を所有したい」という野心の表白であることは、まことに示唆的である。
 一部分であることに満足できず、すべてを欲し、すべてであろうとする意欲は、「全体的に拘束され、かつ全体的に自由な全体的人間」という初期の文言から、「全体化」という独特の用語に至るまで、通底している。要するに、世界全体を「所有」し、世界全体に匹敵する人間=意識主体であろうとする野心。これの具体的な現れ、あるいは実現形態は、ブルデューがサルトルを規定するために用いた「全体的知識人」という語で、ある程度表現されるかもしれない。
(「訳者解説」より)


【著者紹介】
●アニー・コーエン=ソラル(Annie Cohen-Solal)
アルジェリア生。伝記『サルトル――その人生』が国際的なベストセラーを博した後、1989年に初渡米、駐米国フランス大使館文化参事官としてニューヨークに滞在。画廊主レオ・カステリとの出会いにより、芸術の世界へと興味が移る。大学教授として、そして文化史家として、芸術家の社会史に集中することによって、この分野を豊かなものにしてきた。2001年、アメリカ絵画の分野で、芸術アカデミーのベルニエ賞を受賞、またレオ・カステリとその仲間たちに関する著書が、最高の現代芸術の本のための文化芸術賞を獲得。ポンピドゥー・センターの館長アラン・セバンの特別顧問を務めた他、「大地の奇跡 2014」の委員を務めた。最近の著書“New York Mid-Century 1944-48”, “Mark Rothko: Toward the Light in the Chapel”は、4言語で刊行される。2009年、ニューヨーク・シティのフランス領事館にて、駐米大使ピエール・ヴィモンによりレジオン・ドヌール勲章を与えられる。

【訳者紹介】
●石崎晴己(いしざき・はるみ)
1940年生まれ。青山学院大学名誉教授。1969年早稲田大学大学院博士課程単位取得退学。専攻フランス文学・思想。
訳書に、ボスケッティ『知識人の覇権』(新評論)、ブルデュー『構造と実践』『ホモ・アカデミクス』(共訳)、トッド『新ヨーロッパ大全ⅠⅡ』(Ⅱ共訳)『移民の運命』(共訳)『帝国以後』『文明の接近』(クルバージュとの共著)『デモクラシー以後』『アラブ革命はなぜ起きたか』、レヴィ『サルトルの世紀』(監訳)、カレール=ダンコース『レーニンとは何だったか』(共訳、以上藤原書店)など多数。編著書に、『世界像革命』(藤原書店)『サルトル 21世紀の思想家』(共編、思潮社)『21世紀の知識人』(共編、藤原書店)など。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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