敗走と捕虜のサルトル――戯曲『バリオナ』「敗走・捕虜日記」「マチューの日記」

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  • ジャン=ポール・サルトル 著
  • 石崎晴己 編訳=解説
  • 四六上製 360頁
    ISBN-13: 9784865781601
    刊行日: 2018/1

サルトル処女戯曲と捕虜時代の第一級史料、本邦初訳!

サルトルの生涯の中で最も波乱に満ち、最も多産であった、兵士・捕虜時代の18カ月。捕虜収容所内で執筆・上演された実質的な処女戯曲『バリオナ』と、敗走・捕虜生活を日記の体裁で記述したテキスト「敗走・捕虜日記」「マチューの日記」に、詳細な解説を付す。


目次

 本書を読む前に 石崎晴己

一 戯曲『バリオナ――苦しみと希望の劇』
 登場人物
 バリオナ――苦しみと希望の劇
 『バリオナ』論 石崎晴己

二 「敗走・捕虜日記」「マチューの日記」
 関連地図

【敗走・捕虜日記】
魂の中の死
〔一九四〇年〕六月十日/午前十一時/六月十一日

敗走日記
[六月十二日]/六月十四日

捕虜日記
八月十八日/八月十九日/八月十九日、夜/八月二十日

【マチューの日記】
九月十五日/九月十五日/九月十六日/十一月十七日/
十一月十八日/十一月十九日/土曜日/日曜の朝/
十一月二十二日/十一月二十三日/十一月二十四日/
十一月二十五日

「敗走・捕虜日記」「マチューの日記」解説 石崎晴己

編訳者あとがき

関連情報

対独宣戦布告に始まる、「奇妙な戦争」の兵士生活から捕虜生活のこの十八カ月は、サルトルの生涯の最も多産な時期であり、まさに「奇跡の十八カ月」であった。サルトルの作品系の最も優れた部分、『存在と無』や『自由への道』の骨子は、この期間に書かれ、戯曲系列の本質を決定する作品『バリオナ』も、この期間に書かれ、何よりもサルトルが劇作家となるきっかけとなった。その意味でも本書刊行はまことに有意義であろう。
(「本書を読む前に」より)

著者紹介

●ジャン=ポール・サルトル(Jean-Paul Sartre, 1905-1980)
パリに生まれ、フランスの最高学府〈高等師範学校〉出身。小説『嘔吐』(1938)で、一流の小説家と目され、『存在と無』(1943)で、世界最高の哲学者の一人となる。『蠅』(1943)で劇作家としてもデビュー。戦後フランス実存主義の主導者で、自ら創刊した雑誌『レ・タン・モデルヌ』に拠って、文化から政治的時事問題まで、あらゆる領域にわたる旺盛な発言で、フランスのみならず世界の文化・知識界をリードし続けた。小説には、大河小説『自由への道』(1945-1949)、戯曲には、『出口なし』(1945)、『汚れた手』(1948)、『悪魔と神』(1951)、『アルトナの幽閉者』(1959)など。哲学では、『弁証法的理性批判』(1960)の他、死後刊行の『倫理学ノート』(1983)、『真理と実存』(1989)など。また、独自に開拓した作家評伝のジャンルに、『聖ジュネ』(ジャン・ジュネ論、1952)、『言葉』(幼年期についての自伝、1963)、『家の馬鹿息子』(フローベール論、1971-72)、さらにこの系列に属すものとして、「ティントレット論」(1957など)、「マラルメ論」(1966など)がある。自由なる主体のアンガジュマン(現実参加)を軸とするサルトルの思想は、20世紀中葉の世界をリードした、と言えよう。

【訳者】
●石崎晴己(いしざき・はるみ)
1940年生まれ。青山学院大学名誉教授。1969年早稲田大学大学院博士課程単位取得退学。専攻フランス文学・思想。
訳書に、ロットマン『伝記アルベール・カミュ』(共訳、清水弘文堂)、セリーヌ『戦争、教会』(国書刊行会)、サルトル『戦中日記――奇妙な戦争』『実存主義とは何か』(共訳、人文書院)、コーエン=ソラル『サルトル』(白水社)、ボスケッティ『知識人の覇権』(新評論)、ブルデュー『構造と実践』『ホモ・アカデミクス』(共訳)、トッド『新ヨーロッパ大全ⅠⅡ』(Ⅱ共訳)『移民の運命』(共訳)『帝国以後』『デモクラシー以後』『文明の接近』(クルバージュとの共著)『最後の転落』(監訳)『不均衡という病』、レヴィ『サルトルの世紀』(監訳)、カレール=ダンコース『レーニンとは何だったか』(共訳)、コーエン=ソレル『サルトル伝 上下』(藤原書店)など多数。
編著書に、『サルトル 21世紀の思想家』(共編、思潮社)『世界像革命』『21世紀の知識人』(共編、藤原書店)など。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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