日本の科学 近代への道しるべ

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  • 山田慶兒 著
  • A5上製 312頁
    ISBN-13: 9784865781366
    刊行日: 2017/8

日本独自に誕生していた近代科学! 日本の科学の特殊性とは?

「科学なき近代」といわれた日本・中国だが、科学はあった。
(伊能忠敬は1817年に日本全図を完成、カッシーニ父子によるフランス全図完成は1790年)
岩倉使節団の欧米視察によると、東西文明のタイム ラグは50年程度である。
日本最古の医学書『医心方』には、中国医学と異なる独自の医学体系が見られる。
――受容史だけではない日本の科学史へのまなざし。


目次

 まえがき

Ⅰ 二つの展望
 十八、九世紀の日本と近代科学・技術
 日本と中国、知的位相の逆転のもたらしたもの

Ⅱ 科学の出発
 飛鳥の天文学的時空――キトラ『天文図』
 日本医学事始――『医心方』

Ⅲ 科学の日本化
 医学において古学とはなんであったか――山脇東洋
 反科学としての古方派医学――香川修庵、吉益東洞
 現代日本において学問はいかにして可能か――富永仲基

Ⅳ 科学の変容
 中国の「洋学」と日本――『天経或問』
 幕府天文方と十七、八世紀フランス天文学――『ラランデ暦書管見』
 見ることと見えたもの――『米欧回覧実記』他

〈補論〉浅井周伯養志堂の医学講義――松岡玄達の受講ノート

 あとがき/初出一覧

関連情報

◎世界史的近代は18世紀にはじまる。徳川吉宗の政策は西欧の18世紀啓蒙時代の政策と等質である。18世紀以後の日本は世界史的近代の一部を構成している。日本だけではない。清代の中国もまた同じだった。あるフランスの経済史家は18世紀以後の日本と中国を「科学なき近代」と呼んだが、科学はあった。一例を挙げれば、パリ国立天文台のカッシーニ父子がフランス全図を完成したのは1790年、伊能忠敬が幕府天文方の支援の下に日本全図を完成するのは1817年である。

◎明治4年から6年(1871-1873)にかけての岩倉使節団による欧米文明の視察の記録、『米欧回覧実記』は、「東洋西洋ノ開化ノ進路」のタイム ラグは「最モ開ケタル英佛ニシテモ」「僅ニ五十年」に過ぎないと見てとった。イギリスが工業社会段階に入ったのが1820年代だから、この認識は的確である。
(「まえがき」より)


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