戦争とフォーディズム――戦間期日本の政治・経済・社会・文化

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  • 竹村民郎 著
  • 四六上製 512頁 口絵8頁
    ISBN-13: 9784865783476
    刊行日: 2022/5

太平洋戦争は、なぜ敗北に到ったのか?

第一次世界大戦は軍事の機械化や生産の合理化に根本的な変革を促した。それを象徴する実践的思想、フォーディズムの本質を、石原莞爾、永田鉄山、岸信介らは捉えそこなったのではないか? 政治、経済、軍事、産業、社会、文化、情報メディア等を検証し、太平洋戦争の悲惨な敗戦の原因を論じる。


目次

 序 文

第一部 石原莞爾における世界最終戦争への視角
 第一章 フォーディズム、統制経済、軍の合理化
 第二章 「世界最終戦争論」とフォーディズム
 第三章 東亜連盟論および熱河作戦にあらわれた航空機、戦車、自動車、歩兵の複合
 第四章 帝国の産軍複合体構想とフォーディズム
 補 論 石原莞爾の王道主義についての歴史的究明

第二部 理研コンツェルンと兵器生産
 第一章 農村解体の危機と農村の工業化
 第二章 農村の工業化
 第三章 高賃金・低コストの経済
 第四章 「科学主義工業」と航空機生産
 第五章 原爆計画と科学動員の展開

第三部 帝国陸軍の合理化とフォーディズム
 第一章 帝国の危機におけるヴェルサイユ派の分裂
 第二章 国家総動員体制成立期における陸軍省動員課長永田鉄山の役割
 第三章 軍用自動車保護法制定期における日本フォード・日本GMの優位
 第四章 フォーディズムの受容と文武官僚の役割
 第五章 思想革命としてのフォーディズム
 第六章 帝国における装甲機械化兵団運用理論と戦車テクノロジー

第四部 世界大恐慌への対応としての帝国における産業合理化
 第一章 岸信介の生い立ちから農商務省入省まで
 第二章 岸信介はドイツ産業合理化調査で何を見たのか
 第三章 産業合理化運動の環としてのフォーディズム
 第四章 商工省に現われたテクノクラシーの相剋
 第五章 石橋湛山の産業合理化批判

第五部 帝国が支配した港都大連
 第一章 視聴化された満蒙
 第二章 公娼制度の定着と婦人救済運動

 むすび

本書関連年表/人名索引

関連情報

■本書は、近現代における戦争とフォーディズムの関係を見据えつつ、第一次世界大戦によって明らかになったそれらの関係の構造的変化に、戦間期日本の指導者層がいかに対処したかを論じたものである。結論から言えば、幾人かを例外として、彼らの大半はその変化を捉えそこない、日本の国家体制を誤った方向に導いてしまった、というのが私の見立てである。

■問題は既に明らかなように、フォーディズムと戦争の歴史的推移の中にある。そしてこの場合の出発点は何よりも、二〇世紀の戦争の姿を予見した「戦争論」とフォーディズムとの関連を正しく理解することであろう。

■本書ではルーデンドルフ(Erich Ludendorff, 1865-1937)『総力戦』(Der totale Krieg, 1935)を一つの手がかりにして、大日本帝国の「総力戦」と「フォーディズム」の関係について論じたい。ルーデンドルフの著書はクラウゼヴィッツ批判から生まれた二十世紀の戦争の形態を予見した古典的名著である。
(「序文」より)

著者紹介

●竹村民郎(たけむら・たみお)
1929年、大阪市生まれ。元大阪産業大学経済学部教授。国際日本文化研究センター共同研究員。ハーヴァード大学訪問研究員(1989-90年)。
著書(単著)に『独占と兵器生産――リベラリズムの経済構造』(勁草書房、1971年)、『廃娼運動――廓の女性はどう解放されたのか』(中央公論社、1982年)、『笑楽の系譜――都市と余暇文化』(同文館出版、1996年)、『増補 大正文化 帝国のユートピア――世界史の転換期と大衆消費社会の形成』(2010年)、『竹村民郎著作集 Ⅰ-Ⅴ』(「Ⅰ 廃娼運動」2011年、「Ⅱ モダニズム日本と世界意識」2012年、「Ⅲ 阪神間モダニズム再考」2012年、「Ⅳ 帝国主義と兵器生産」2013年、「Ⅴ リベラリズムの経済構造」2015年、以上は三元社)がある他、編著に『経済学批判への契機』(三一書房、1974年)、『「職場の歴史」関係資料集編集復刻版』第1-4巻(六花出版、2017-18年)がある。また、井上清、石母田正等と共編著『現代史の方法 上』(三一書房、1960年)、鈴木貞美との共編著『関西モダニズム再考』(思文閣、2008年)がある。
さらに、以上の他、多数の論文、雑誌掲載論文等が存在する。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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