「自由と民主」の世界史―――失われた近代を求めて(全2巻) 1 原初・ギリシャ・ローマからヨーロッパの自己形成まで

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  • 河東哲夫 著
  • 四六並製 496頁
    ISBN-13: 9784865784596
    刊行日: 2025/6

「近代」が猛烈な“逆回転”を始めた今こそ問い直す。
元外交官が描く“生きた”世界史!

経済停滞・格差増大、情報化、「トランプ」現象が並行する今、「自由と民主」という基本的な諸価値は崩壊に瀕している。
古代以来の世界史を自在な筆致で描き、「近代」実現の過程とその意味を問う。


目次

はじめに

Ⅰ ものごとの始まり
 第一章 無限の宇宙の中から
 第二章 「四大文明」以外の古代文明
 第三章 メソポタミア――近代の原型

Ⅱ ギリシャ・ローマ
 第一章 ギリシャ
 第二章 ローマ帝国

Ⅲ 「野蛮」の時代
 第一章 ゲルマン的欧州の成立
 第二章 フランク王国

プロムナード  西欧中世初期の先進地域・オリエント
 第一章 オリエント
 第二章 イスラム

Ⅳ 中世のヨーロッパ
 第一章 「中世」の輪郭
 第二章 西欧の発展開始――農業と商業の相乗
 第三章 中世ヨーロッパの経済基盤
 第四章 中世ヨーロッパ経済の主なプレーヤー
 第五章 中世ヨーロッパ政治の主なプレーヤー
 第六章 中世西欧における「国家」
 第七章 中世の生活実感
 第八章 「個人主義」の形成
 第九章 中世西欧の国際関係

Ⅴ 中世からの訣別
 第一章 ヒューマニズム=人間中心主義の成立
 第二章 西欧白人文明の台頭

第Ⅰ巻主要参考文献

関連情報

今、世界はわれわれの眼前でがらがらと音を立て、本当に崩壊し始めた。自由と民主主義を背骨とするNATOなど世界の同盟体制は、きしみを立てている。

19世紀の産業革命以来、工業化が人間の生活水準を向上させ、次にそれが人々の権利意識をかき立てて民主主義を成立させるという、右肩上がりの進歩はもう止まった。先進諸国では製造業が海外に流出し、多くの人の生活は苦しくなっている。困窮した人たちにとって自由とか民主主義は空疎な言葉でしかなく、一見期待の持てそうなポピュリストの政治家を、よく確かめもせず権力の地位につけてしまう。文明は右肩下がりの逆回転を始めたかに見える。

われわれ日本人としては、明治維新以降、学び、憧れ、敗戦後は米軍にさらにプッシュされた自由と民主主義、要するに近代西欧の価値観はナンボのものなのか、歴史上どうやって形成されてきて、誰が何のために担いできたものなのか、日本の自分にとってはどういう意味を持っているのか、これからも担いでいく価値があるのかどうかを、捉えなおすべき時なのだ。 (「はじめに」より)

著者紹介

●河東哲夫(かわとう・あきお)
元駐ウズベキスタン大使。
1947年生まれ。東京大学教養学科卒、ハーバード大学院修士。
1970年から2024年まで外務省。西欧、米国、ソ連・ロシア、中央アジアと異なる文明圏で勤務してその差を体感。東京勤務では、政府での政策決定のウラを観察。
2024年、日本政策投資銀行設備投資研究所上席主任研究員。東京大学、早稲田大学、モスクワ大学で客員教授。東京財団主任研究員などを歴任。現在、「Newsweek日本」等で評論活動。
メール・マガジン「文明の万華鏡」を主宰する他、著書に『ソ連社会は変わるか』(嵯峨冽の筆名。サイマル出版会)、『遥かなる大地』(熊野洋の筆名。ソ連崩壊を背景とする大河小説)『意味が解体する世界へ』『米・中・ロシア―虚像に怯えるな』『新・外交官の仕事』(以上、草思社)、『ロシアの興亡』(MdN新書)等がある。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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