「自由と民主」の世界史―――失われた近代を求めて(全2巻) 2 産業革命と近代の構築、そしてその先

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  • 河東哲夫 著
  • 四六並製 480頁
    ISBN-13: 9784865784602
    刊行日: 2025/6

「別の近代」の可能性はありえたのか?
元外交官が描く“生きた”世界史!

“先進地域”だったオリエント・中国を追い越して、いかにして西欧は「近代」に到達したのか?
近代化の光と闇を見据えつつ、「近代的諸価値」実現の意味を問う。


目次

はじめに――近代のアウトライン

Ⅰ 近代の誕生――オランダの繁栄と英国の興隆
 第一章 最初の近代国家・オランダの栄華
 第二章 英国の興隆

Ⅱ 産業革命と近代社会の成立
 第一章 「大英帝国」と近代の確立
 第二章 産業革命
 第三章 異次元の世界「近代」の構築
 第四章 インドの収奪
 第五章 他の西欧諸国が産業革命・国家形成で英国に後れた理由

Ⅲ 中国=「近代」以外のパラダイムの可能性と限界
 第一章 「ユーラシア」の一部としての中国
 第二章 中国経済発展の途
 第三章 中国経済の歴史に見られるいくつかの特徴
 第四章 中国史における国家統治(ガバナンス)の特徴
 第五章 「近代」を実現できない中国の体制
 第六章 中国と「近代」は異質なものなのか?

Ⅳ 近代の完成と魔変
 第一章 産業と国家の「巨大化」
 第二章 近代の魔変
 第三章 「近代」の先はあるのか?

結辞
第Ⅱ巻主要参考文献

関連情報

西欧の「長き16世紀」は、大航海時代が始まった15世紀末から、政治的枠組みの再編成が一段落した三十年戦争終結(1648年のウェストファリア協約)までの期間のことだ。以降、主権国家がどれも帝国化を目指して相争うなか、近代が成立していく。その過程を経済、政治、そして価値観の変化に焦点をあてて追うのが、この第Ⅱ巻である。

この時期の西欧は、政治・経済・社会・文化のすべて、つまり文明を、質的に大きく違う次元に引き上げた。そこでは、英国が産業革命を実現し、それによって多数の中産階級を生んだことが主軸になる。

生活の向上と権利の増大が同時に進行していく右肩上がりの社会は、今日の先進諸国では維持が難しくなっている。工業基盤の弱化と格差の増大で、社会は逆回転、右肩下がりのトレンドに転じているのである。そのことをはっきり自覚し、解決策を探るためにも、ここで近代はどのようにしてできたのか、しっかり学んでおこうではないか。 (「はじめに」より)

著者紹介

●河東哲夫(かわとう・あきお)
元駐ウズベキスタン大使。
1947年生まれ。東京大学教養学科卒、ハーバード大学院修士。
1970年から2024年まで外務省。西欧、米国、ソ連・ロシア、中央アジアと異なる文明圏で勤務してその差を体感。東京勤務では、政府での政策決定のウラを観察。
2024年、日本政策投資銀行設備投資研究所上席主任研究員。東京大学、早稲田大学、モスクワ大学で客員教授。東京財団主任研究員などを歴任。現在、「Newsweek日本」等で評論活動。
メール・マガジン「文明の万華鏡」を主宰する他、著書に『ソ連社会は変わるか』(嵯峨冽の筆名。サイマル出版会)、『遥かなる大地』(熊野洋の筆名。ソ連崩壊を背景とする大河小説)『意味が解体する世界へ』『米・中・ロシア―虚像に怯えるな』『新・外交官の仕事』(以上、草思社)、『ロシアの興亡』(MdN新書)等がある。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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