近代日本の社会科学と東アジア

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  • 武藤秀太郎
  • A5上製 264ページ
    ISBN-13: 9784894346833
    刊行日: 2009/04
  • 中国という「脅威」をめぐる日本の社会科学の屈折

    欧米社会科学の定着は、近代日本の世界認識から何を失わせたのか?田口卯吉、福澤諭吉から、福田徳三、河上肇、そして山田盛太郎、宇野弘蔵らに至るまで、その認識枠組みの変遷を「アジア」の位置付けという視点から追跡。東アジア地域のダイナミズムが見失われていった過程を検証する。

    目次

    序 論

    はじめに
    近代日本のアジア認識
    欧米商業教育導入の意図
    近代日本社会科学史再考


    第1部 自由交易主義経済論の史的根拠
    ――中国への対抗としての 「脱亜」 1860―80年代

    第1章 東京築港構想の射程 ――田口卯吉の自由貿易論

    はじめに
    幕末開港期の 「富国」 観
    自由・保護貿易論の争点
    市区改正と東京築港
    おわりに

    第2章 「脱亜論」 の位相 ――福澤諭吉と田口卯吉

    はじめに
    開化史論における中国像の転換
    条約改正論の深層
    つくりだされた中国停滞論
    おわりに


    第2部 「社会」 問題の顕在化と社会政策論
    ――動揺する中国・朝鮮認識 1880―1920年代

    第3章 異端の大正デモクラシー ――福田徳三と吉野作造

    はじめに
    「生産的社会政策」 の歴史観
    「生存権の社会政策」 の時代背景
    自己批判としての 『唯物史観経済史出立点の再吟味』
    おわりに

    第4章 もう一つの 『貧乏物語』 ――河上肇の国民経済論

    はじめに
    「経済」 と 「道徳」 の相克
    転機としての沖縄経験
    構想された 「夢の国」
    おわりに


    第3部 社会科学を独占するマルクス主義
    ――「大東亜」 との邂逅 1920―40年代

    第5章 覆された 「小農」 の範疇 ――山田盛太郎の日中農業比較研究

    はじめに
    内部完結する資本主義
    「メルクマール」 としての 「小農」 の範疇
    山田理論とレーニン
    山田理論とエンゲルス
    「適正規模の農家」 という範疇
    おわりに

    第6章 戦後 「社会科学」 論の深層 ――宇野弘蔵と内田義彦

    はじめに
    宇野理論における社会主義像
    示された 「大東亜共栄圏」 の責務
    広域経済発展の行く末
    連続する統制経済観
    おわりに

    結 論
    あとがき
    主要参考文献
    人名索引
    事項索引

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