岡田英弘著作集(全8巻) 3 日本とは何か

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  • 岡田英弘
  • 四六上製 560ページ
    ISBN-13: 9784894349506
    刊行日: 2014/01
  • 世界史家でこそ描きえた、日本誕生の実像。

    「魏志倭人伝」はいかに読み解くべきか? 倭国をつくったのはだれか?
    日本はなぜ独立を守り通せたか? 最初の天皇はだれか?
    [月報]菅野裕臣/日下公人/西尾幹二/T・ムンフツェツェグ

    目次

     はじめに

    第I部 日本の歴史への基本的視点
     日本の歴史をどう見るか
     倭国をつくったのはだれか

    第II部 倭国の時代
     「魏志倭人伝」をどう読むか
     「魏志倭人伝」、シナ側の事情
     漢人商人と倭国
     卑弥呼はなぜ朝貢したか
     邪馬台国vs大月氏国
     「魏志東夷伝」の世界

    第III部 日本の誕生
     日本はこうして誕生した
     「大和朝廷」は幻である
     『古事記』と『三国史記』の価値を問う
     日本はなぜ独立を守り通せたか
     日本語は人工的につくられた
     新しい神話、騎馬民族説
     大嘗祭は冬至祭である
     日本の国号はいつ決まったか
     元号とは何か

    第IV部 『日本書紀』はいかにつくられたか
     女性天皇の執念が万世一系を生んだ
     神武天皇と天照大神は七世紀に出現した
     ヤマトタケルは天武天皇
     初代の倭国大王・仁徳天皇
     飯豊皇女はじつは天皇だった
     斉明天皇即位のいきさつ
     神功皇后は海神だった
     歴史と神話をどう考えたらいいか

    第V部 発言集
     日本の神話の起源
     考古学の限界
     日本という国家はいつ生まれたのか
     古代から大和民族は存在したか
     卑弥呼とは何者か
     日本語と韓国語の出発
     任那日本府について
     なぜ日本は韓半島と断絶して建国したのか
     吏読から考える日本語の成立
     江戸時代の漢文の訓読が現代日本語の基礎
     日本で翻訳文化が盛んなわけ
     日本語が持つ歴史的弱点


     おわりに
     初出一覧
     図表一覧
     人名・神名索引 事項索引

    関連情報

     “日本”はどのように生まれたか
     日本では『万葉集』が編纂される八世紀より前から、舎人の柿本人麻呂のような天武天皇に仕えた歌人たちが出て、彼らのような漢字を使いこなせる人たちが、漢字を使って倭人の言葉を書き表わす工夫をする。
     漢文で書いたものを、土着の倭人の言葉に置き換える方法で、新たに「日本語」の開発を始めた。一連の日本文化、日本のアイデンティティをつくり上げる作業は、日本の建国と同時に始まった。万葉歌人のなかには、山上憶良のように明らかな華人もおり、日本建国初期のアイデンティティづくりに貢献する。倭王家を取り巻く華人の存在は、予想以上に大きかった。(…)
     「日本人」とは何か。それは倭人、新羅人、百済人、高句麗人、任那人、漢人など、日本列島に雑居していた諸種族の総称で、それを全部カバーする新しいアイデンティティとして「日本」という概念が生み出された。「日本」という国号は、「倭」という古いアイデンテイティを超越した、多種族統合の象徴だったのである。
    (本文より)


    岡田英弘(おかだ・ひでひろ)
    1931年東京生。歴史学者。中国史、モンゴル史、満洲史、日本古代史と幅広く研究し、全く独自に「世界史」を打ち立てる。東京外国語大学名誉教授。
    東京大学文学部東洋史学科卒業。1957年『満文老?』の共同研究により、史上最年少の26歳で日本学士院賞を受賞。アメリカ、西ドイツに留学後、ワシントン大学客員教授、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授を歴任。
    著書に『歴史とはなにか』(文藝春秋)『世界史の誕生』『日本史の誕生』『倭国の時代』(筑摩書房)『チンギス・ハーン』(朝日新聞社)『中国文明の歴史』(講談社)『読む年表 中国の歴史』(ワック)『モンゴル帝国から大清帝国へ』『〈清朝史叢書〉康煕帝の手紙』(藤原書店)他。編著に『清朝とは何か』(藤原書店)他。

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