マルクスとハムレット――新しく『資本論』を読む

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  • 鈴木一策 著
  • 四六上製 216頁
    ISBN-13: 9784894349667
    刊行日: 2014/4

『資本論』に、ハムレットの“悶え”があった!

自然を征服し、異民族を統合してきたローマ・キリスト教文明とその根底に伏流するケルト世界という二重性を孕んだ『ハムレット』。そこに激しく共振するマルクスを、『資本論』の中に読み解く野心作。現代人必読の書!


目次

 はじめに

第一章 マルクスとハムレット
第二章 ヘーラクレース的なマルクス
第三章 ガリアのヘーラクレース・アンリ四世
第四章 剰余価値論の悶えるマルクス
第五章 ハムレットに引き寄せられるマルクス
第六章 マルクスのケルトへの屈折したまなざし
第七章 ハムレットのキドプロコ
第八章 価値表現のキドプロコ
第九章 生皮のキドプロコ
終章 元手との新しいつきあい方――ヘーラクレースからマーキュリーへ

 あとがき

関連情報

カール・マルクスといえば、資本家による労働者の搾取の秘密を暴き、資本主義社会のメカニズムを明らかにした革命家ということになっている。確かにそういう面が濃厚にあることは、認めざるをえない。しかし、従来のマルクス像に囚われていては見えてこない、別の側面も確実に存在する。そして、その側面には、ウィリアム・シェイクスピアの作品との出会い、ことに『ハムレット』との出会いの衝撃の余波が、感じられるのである。
『ハムレット』には、ローマ的なヨーロッパ文明をはみ出す深い奥行きがある。だから、ローマ属領の拠点トリーア生まれのマルクスが、『ハムレット』をその深部から理解しえたかといえば、そうは言い切れない。『ハムレット』の深みに触れかかったと言いたいのだ。ただ、その深みに触れかけたとたん、マルクスはローマ的なものに引き戻されてしまう。ここでは、そのような揺れの振幅を呈するマルクスを、くっきりと描き出そうと思う。そうすることで、古代ローマに由来するヨーロッパの近代化の波に呑み込まれてきた左翼(もちろん私も含まれる)の立脚の足場を、根源的に反省してみたいのだ。
(本書「はじめに」より)

【著者紹介】 ●鈴木一策(すずき・いっさく)
1946年、宮城県仙台市に生まれる。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。哲学、宗教思想専攻。國學院大学、中央大学講師。訳書に、ピエール・マシュレ『ヘーゲルかスピノザか』(新評論、1986年)、スラヴォイ・ジジェク『為すところを知らざればなり』(みすず書房、1996年)がある。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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