古文書にみる榎本武揚――思想と生涯

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  • 合田一道 著
  • 四六上製 336頁
    ISBN-13: 9784894349896
    刊行日: 2014/9

近代日本の万能人に資料から迫る!

裏切り者か、新政府の切り札か――日本近代史において榎本武揚ほど評価のわかれる人物は他にいない。一般的なイメージでは捉えきれないその複雑な人間像と魅力を、榎本家に現存する書簡や、図書館等に保管されている日記・古文書類を渉猟しあぶり出す。膨大な資料を読み解く中でその思想、信条に触れながら、逆賊から一転、政府高官にのぼりつめた榎本武揚という人物の実像に迫る。『環』の好評連載に大幅に加筆し、単行本化。
[附]年譜・人名索引


目次

 この本を手にした方へ

第一章 外国への視線
 「鍋」と「釜」  奉行に従い蝦夷地へ  長崎海軍伝習所へ
 言葉の壁越えて  カッテンデイケの評価  海軍伝習所閉鎖
 オランダ留学生  西洋の大晦日  十字星を詠む
 新年を賀す  ナポレオンの墓  汽車に驚く
 国際公法を学ぶ

第二章 戊辰の嵐に、立つ
 赤松とともに観戦  祖国の老母を思う  開陽丸と命名
 大河喜太郎の死  開陽丸、日本へ  武揚、開陽丸艦長に
 薩摩の船団を破る  母らへ決意の便り  四艦を朝廷へ
 八隻の旧幕艦隊  皇国一和の基を開く  咸臨丸、悲惨
 仙台藩、恭順

第三章 蝦夷の大地、燃ゆ
 嘆願、吹っ飛ぶ  開陽丸座礁、沈没  英仏艦長に嘆願書託す
 武揚、入札で総裁に  岩倉、嘆願書を握り潰す
 母、姉、妻への便り  新政府軍、蝦夷地へ  武揚、馬上から叱咤
 箱館総攻撃  凌雲通じ、降伏勧告  自刃果たせず
 降伏、東京へ護送

第四章 死を前にした化学者
 牢獄で新政府を批判  福沢諭吉が偽の嘆願書  武揚の便り
 妻、多津への思い  化学者の目  母ことの死
 福沢諭吉の策謀  出牢、開拓使へ  三度目の北海道

第五章 開拓使で鉱山調査
 武揚の見た茅ノ澗  「上等ノ汽炭ト称スベシ」
 武揚、ケプロンと対立  イクシベツ石炭山
 空知川岸に石炭山発見  小樽に土地を入手  北垣国道と再会
 釧路の海岸線に石炭層  松本十郎への書簡  突然、海軍中将に
 全権公使としてロシアへ

第六章 日露交渉と「シベリア日記」
 樺太釜泊殺人の談判  黒田にテンの毛皮送る
 妻へ、いたわりの便り  樺太千島交換条約に締結  欧州の旅へ
 ロシア・トルコが戦争  帰国、延期に
 シベリア横断と「西比利亜日記」  馬蹄過ぐる所砲煙の如し
 アザラシの一種を描く  寺院の仏像、日本と同じ

第七章 降りかかる国家の難題
 明治十四年の政変  壬午事件で清国公使に  妻子を連れ北京へ
 李鴻章と会い昵懇に  天津条約締結の陰に
 内閣発足、逓信大臣に  幌内炭鉱の発展に驚く
 憲法発布の朝、文部大臣暗殺  教育の責任こそ大事
 ロシア皇太子、斬られる  同日同時間に便り出し合う
 メキシコ殖民と妻の死

第八章 隕石で流星刀を造る
 三国干渉と「臥薪嘗胆」  足尾鉱毒が社会問題化
 大臣を辞任し、市井の人に  隕石で「流星刀」を作る
 流星刀の論文  黒田清隆逝く  『瘠我慢の説』
 「いずれ愚見を」と返事  碧血碑に詣で、死ぬ


 あとがき――榎本武揚が残したもの
 参考文献
 年譜
 人名索引

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