民衆と情熱――大歴史家が遺した日記 1830-74(全2分冊) 1 1830~1848年

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  • ジュール・ミシュレ 著
  • 大野一道 編
    大野一道・翠川博之 訳
  • 四六変上製 608頁 口絵8頁
    ISBN-13: 9784865782769
    刊行日: 2020/6

『海』『山』『虫』『鳥』『女』……
150年前に、地球史の視野をもつ稀有な歴史家がいた!
★本邦初訳

「ミシュレの日記はフランスの告白文学において最も驚嘆すべきものの一つ」(『ル・モンド』1950年)。
浩瀚な『フランス史』を著した大歴史家の日記、いよいよ刊行。


目次

本書を読むために Ⅰ  (大野一道)
 [はしがき]今なぜミシュレか?――“地球史”を構想した大歴史家
 [解説]本巻の魅力
 [解題]ミシュレの「日記」刊行まで
 ミシュレ年譜(1798~1848年)
 関連地図――ミシュレの旅

日 記 Ⅰ 1830~1848年
 1830年[ミシュレ32歳]
 1831年[33歳]
 1833年[35歳]
 1834年[36歳]
 1837年[39歳]
 1839年[41歳]
 1840年[42歳]
 1841年[43歳]
 1842年[44歳]
 1843年[45歳]
 1844年[46歳]
 1845年[47歳]
 1846年[48歳]
 1847年[49歳]
 1848年[50歳]

ミシュレの人物相関図
訳者あとがき

関連情報

『日記』を読む楽しみは、偉大な学者だった彼の人となりや思想を知り、そこに託されたメッセージを探ってみるということだけではないだろう。間歇的に現れる過ぎし日々や別離した人々への思いが、文学性豊かに、詩情あふれる形で語られるとき、そして最初の妻ポーリーヌ亡きあとに接した女たち(とくに第二巻に出てくる二番目の妻アテナイス)との赤裸々な交わりが述べられるとき、この「日記」の草稿を委ねられたガブリエル・モノが「ルソーの『告白録』をはるかに超える率直さ」と語ったという言葉を引きながら、「ミシュレの日記はフランスの告白文学において最も驚嘆すべきものの一つだ」と『ル・モンド』紙(1950年1月28日号)が紹介したのも、まこと宜なるかなと思われるのである。
(「はしがき」より)

【著者紹介】
●ジュール・ミシュレ(Jules Michelet, 1798-1874)
ミシュレはフランス革命期、貧しい印刷業者の一人息子としてパリで誕生。「私は陽の当たらないパリの舗道に生えた雑草だ」「書物を書くようになる前に、私は書物を物質的に作っていた」(『民衆』)。少年時代は物質的にきわめて貧しかったが、孤独な中にも豊かな想像力を養い、やがて民衆への深い慈愛を備えた大歴史家へと成長してゆく。独学で教授資格(文学)を取得し、1827年にエコール・ノルマルの教師(哲学と歴史)。ヴィーコ『新しい学』に触れて歴史家になることを決意して、その自由訳『歴史哲学の原理』を出版。『世界史入門』『ローマ史』に続き、『フランス史』の執筆に着手(中世6巻、近代11巻)。1838年、コレージュ・ド・フランス教授に就任した。その後、カトリック教会を批判して『イエズス会』『司祭、女性、家族』を発表。『フランス革命史』を執筆する傍ら、二月革命(1848)では共和政を支持。しかし、ルイ=ナポレオンの台頭によってそのすべての地位を剝奪された。以後、各地を転々としながら『フランス史』(近代)の執筆を再開。同時に自然史(『鳥』『虫』『海』『山』)や『愛』『女』『魔女』『人類の聖書』に取り組んだ。晩年は、普仏戦争(1870)に抗議して『ヨーロッパを前にしたフランス』を発表。パリ・コンミューンの蜂起(1871)に触発されて『19世紀史』に取りかかりながらも心臓発作に倒れた。ミシュレの歴史は19世紀のロマン主義史学に分類されるが、現代のアナール学派(社会史、心性史)に大きな影響を与えるとともに、歴史学の枠を越えた大作家として、バルザックやユゴーとも並び称せられている。

【編訳者紹介】
●大野一道(おおの・かずみち)
1941年生。1967年東京大学大学院修士課程修了。中央大学名誉教授。専攻はフランス近代文学。著書に『ミシュレ伝』『「民衆」の発見――ミシュレからペギーへ』(以上,藤原書店),訳書にミシュレ『民衆』(みすず書房),同『女』『世界史入門』『学生よ』『山』『人類の聖書』『全体史の誕生』,共編訳書にミシュレ『フランス史』全6巻(以上,藤原書店)他。

【訳者紹介】
●翠川博之(みどりかわ・ひろゆき)
1968年生。東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了。東北学院大学准教授。専攻はフランス現代文学およびフランス現代思想。論文に「サルトルの演劇理論」(『サルトル読本』法政大学出版局)「アンガジュマンの由来と射程」(『ポストコロニアル批評の諸相』東北大学出版会)、共訳書にミシュレ『フランス史 V』(藤原書店)他。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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