- 草原克豪 著
- 四六上製 424頁
ISBN-13: 9784865784763
刊行日: 2025/10
「日米関係の核心は、中国問題にあり」 歴史家 チャールズ・A・ビーアド
昭和百年を迎える現在、我々に問われていることは何か。この昭和という時代、世界史に否応なく巻き込まれざるを得なかった日本の姿を忠実に活写した問題作!
20世紀以降、欧州を中心として各国が諸々の利権を競い合い、第一次・第二次世界大戦が勃発、その渦中、日本は生き延びる選択を迫られた。その結果、日米戦争による無条件降伏。敗戦後7年に及ぶ占領下の時代を経て、日米安保、日米同盟の下、今日の日本は存在する。
昭和百年を振り返りつつ、日本の針路を展望する。
目次
はじめに
序章 近代史の中の昭和時代
1 昭和の幕開け
2 明治日本の遺産
3 昭和日本の苦難と孤立と再生
第一章 昭和以前の日米関係
1 初めての外交交渉
2 留学生や教師たちの活躍
3 日米関係の悪化と渋沢栄一の民間外交
4 新渡戸稲造の「太平洋の橋」
5 中国市場への進出
6 日米有志による対話集会
7 ワシントン会議
8 排日移民法で冷え込む日米関係
第二章 昭和の日本が抱えた満洲問題
1 山東出兵の背景
2 太平洋問題調査会と満洲問題
3 満洲事変の勃発
4 アメリカの世論と闘った新渡戸稲造
5 国際連盟からの脱退
6 バンフからの警鐘
第三章 盧溝橋から真珠湾への道
1 支那事変とは何だったのか
2 和平工作はなぜ失敗したのか
3 中国を支えた英米ソの援助
4 第二次世界大戦の勃発と三国同盟
5 日米交渉の迷走とABCD包囲網
6 日米開戦を決定的にしたハル・ノート
7 なぜ「大東亜戦争」なのか
第四章 日米衝突の根本原因
1 他に選択肢はなかったのか
2 軍部の暴走
3 政治のリーダーシップ
4 「門戸開放」対「東亜新秩序」
5 日米相互「誤解」
6 ルーズベルトの干渉主義外交
7 アメリカの対日戦略と日本の対応
第五章 廃墟からの復興と繁栄
1 終戦をめぐる攻防
2 占領軍による日本弱体化政策
3 東京裁判
4 占領政策の転換
5 経済復興の光と影
6 伝統文化の復権
第六章 令和日本の挑戦
1 昭和日本の置き土産
2 日本の民主主義の形
3 世界の中の日本
4 日本の誇るべき精神文化
5 克服すべき課題
おわりに
参考文献/本書を読むための略年表/主要人名索引
序章 近代史の中の昭和時代
1 昭和の幕開け
2 明治日本の遺産
3 昭和日本の苦難と孤立と再生
第一章 昭和以前の日米関係
1 初めての外交交渉
2 留学生や教師たちの活躍
3 日米関係の悪化と渋沢栄一の民間外交
4 新渡戸稲造の「太平洋の橋」
5 中国市場への進出
6 日米有志による対話集会
7 ワシントン会議
8 排日移民法で冷え込む日米関係
第二章 昭和の日本が抱えた満洲問題
1 山東出兵の背景
2 太平洋問題調査会と満洲問題
3 満洲事変の勃発
4 アメリカの世論と闘った新渡戸稲造
5 国際連盟からの脱退
6 バンフからの警鐘
第三章 盧溝橋から真珠湾への道
1 支那事変とは何だったのか
2 和平工作はなぜ失敗したのか
3 中国を支えた英米ソの援助
4 第二次世界大戦の勃発と三国同盟
5 日米交渉の迷走とABCD包囲網
6 日米開戦を決定的にしたハル・ノート
7 なぜ「大東亜戦争」なのか
第四章 日米衝突の根本原因
1 他に選択肢はなかったのか
2 軍部の暴走
3 政治のリーダーシップ
4 「門戸開放」対「東亜新秩序」
5 日米相互「誤解」
6 ルーズベルトの干渉主義外交
7 アメリカの対日戦略と日本の対応
第五章 廃墟からの復興と繁栄
1 終戦をめぐる攻防
2 占領軍による日本弱体化政策
3 東京裁判
4 占領政策の転換
5 経済復興の光と影
6 伝統文化の復権
第六章 令和日本の挑戦
1 昭和日本の置き土産
2 日本の民主主義の形
3 世界の中の日本
4 日本の誇るべき精神文化
5 克服すべき課題
おわりに
参考文献/本書を読むための略年表/主要人名索引
関連情報
■百年前の日本には、渋沢栄一や新渡戸稲造、あるいは新渡戸の師でもある後藤新平をはじめとして、世界的視野に立って国際情勢を冷静かつ的確に把握し、日本の国益と世界の平和のために命を捧げる優れた指導者がいた。彼らはその思想行動において極端に偏ることなく、常に大局的視点に立って中庸を貫いた。言い換えれば、バランス感覚を身につけていた。
■新渡戸が好んで使った言葉の一つに「センス・オブ・プロポーション(Sense of proportion)」がある。小さいものは小さいものとしてとらえ、大きいものは大きいものとしてとらえるということで、要はバランス感覚である。私たちはややもすれば、些細なことに囚われすぎたり、逆に大事なことを見落としたりしがちである。だがそれでは大局を見誤ってしまう。物事の全体をありのままに捉えることが重要だ。 (「おわりに」より)
■新渡戸が好んで使った言葉の一つに「センス・オブ・プロポーション(Sense of proportion)」がある。小さいものは小さいものとしてとらえ、大きいものは大きいものとしてとらえるということで、要はバランス感覚である。私たちはややもすれば、些細なことに囚われすぎたり、逆に大事なことを見落としたりしがちである。だがそれでは大局を見誤ってしまう。物事の全体をありのままに捉えることが重要だ。 (「おわりに」より)
著者紹介
●草原克豪(くさはら・かつひで)
1941年北海道生まれ。東京大学教養学部教養学科卒。文部省に入省後、コーネル大学経営行政大学院留学(MBA)、ユネスコ本部勤務、文部省初等中等教育局、学術国際局、高等教育局を経て、大臣官房審議官(高等教育局担当)、生涯学習局長を歴任。退官後、拓殖大学副学長・拓殖大学北海道短期大学学長を務め、現在は拓殖大学名誉教授。
その間に日本ユネスコ国内委員会委員、日米文化教育交流会議委員、日米教育委員会(フルブライト委員会)委員、(公財)二十一世紀文化学術財団理事長、(一財)英語教育協議会理事長などを歴任し、現在は(公社)日本空手協会会長、(公財)合気会理事、(公財)東洋文庫評議員。
〈主な著書〉
『近代日本の世界体験』(小学館スクウェア)
『日本の大学制度』(弘文堂)
『大学の危機』(弘文堂)
『新渡戸稲造 1862-1933――我、太平洋の橋とならん(新版)』(藤原書店)
『新渡戸稲造はなぜ「武士道」を書いたのか』(PHP新書)
『武道文化としての空手道』(芙蓉書房出版)
『新渡戸稲造に学ぶ近代史の教訓』(芙蓉書房出版)
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです
1941年北海道生まれ。東京大学教養学部教養学科卒。文部省に入省後、コーネル大学経営行政大学院留学(MBA)、ユネスコ本部勤務、文部省初等中等教育局、学術国際局、高等教育局を経て、大臣官房審議官(高等教育局担当)、生涯学習局長を歴任。退官後、拓殖大学副学長・拓殖大学北海道短期大学学長を務め、現在は拓殖大学名誉教授。
その間に日本ユネスコ国内委員会委員、日米文化教育交流会議委員、日米教育委員会(フルブライト委員会)委員、(公財)二十一世紀文化学術財団理事長、(一財)英語教育協議会理事長などを歴任し、現在は(公社)日本空手協会会長、(公財)合気会理事、(公財)東洋文庫評議員。
〈主な著書〉
『近代日本の世界体験』(小学館スクウェア)
『日本の大学制度』(弘文堂)
『大学の危機』(弘文堂)
『新渡戸稲造 1862-1933――我、太平洋の橋とならん(新版)』(藤原書店)
『新渡戸稲造はなぜ「武士道」を書いたのか』(PHP新書)
『武道文化としての空手道』(芙蓉書房出版)
『新渡戸稲造に学ぶ近代史の教訓』(芙蓉書房出版)
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです




