書の日本文化史

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  • 松岡正剛 著
  • A5上製 552頁・カラー口絵8頁
    ISBN-13: 9784865785029
    刊行日: 2026/8

墨書(エクリチュール)から読み解く、別様の“日本”。

和と漢のあわいに生まれ、独自の発展を遂げてきた日本の「書」。作品論・作家論・書法論を離れて「書くこと」に向き合い、根底にある身体性、声と文字との交錯、そして「書」に体現された歴史と文化伝播へと論を開きながら、翻って、日本文化史そのものを「書」を通じて描き直す。


目次

書を通してみる日本文化史の試み――はしがきにかえて

第Ⅰ部 文字文化の創成
 1 未知への出遊――文字の呪能
 2 黎明と矜持――万葉仮名出現
 3 日本語表記革命――太安万侶の冒険

第Ⅱ部 書法の自覚
 4 日本文字誕生――仮名とは何か
 5 言霊の人――空海のパースペクティブ
 6 和様化の背景――ウツ・ウツロヒ・ウツツ

第Ⅲ部 和様書の冒険
 7 道風・佐理・行成――和様書自立
 8 漢から和へ――文房四宝と建築空間
 9 当体と写し――上代様の仮名

第Ⅳ部 禅林の書・数寄の書
 10 鎌倉社会文化考――禅の日本化
 11 禅林から遊芸へ――五山文化と一休文化圏
 12 隠された転換――南北朝と僧侶の書
 13 近世バロック――数寄という方法

第Ⅴ部 書芸と流儀
 14 元和偃武――寛永三筆とその時代
 15 型・流儀・手本――女人の書・子供の手習い
 16 日本儒書の系譜――徳川唐様書の動向
 17 国学と俳諧――日本への問いの行方
 18 詩・書・画・印――文人墨客ネットワーク
 19 準備と予兆――書の近代から現代へ

附 「千夜千冊」断章
鈴木史楼『百人一書』/吉川忠夫『王羲之――六朝貴族の世界』/林語堂『蘇東坡』/白隠『夜船閑話』/良寛『良寛全集』/春名好重『巻菱湖伝』/會津八一『渾齋随筆』/北大路魯山人・平野雅章編『魯山人書論』/井上有一『日々の絶筆』

書への三つの憧れ――あとがきにかえて

後記/図版出典一覧

関連情報

私はこれまで少しは書をめぐるエッセイを綴ったり、空海や良寛についての本をまとめたりしてきたが、なんらかの視点を一貫させて書や書文化を議論してみようとするのは、これが初めてである。私は一貫した視点で書を見るということをしてこなかった。いつだって勝手気儘に書と接することをよろこんできた。書道ではなくて、書文化にひそむさまざまな多様性にこそ惹かれてきた。

これから綴るのは、そうした私なりの観察による日本の書文化の流れである。時代を追いながら話を進めるが、そこには現代の書道界の問題やら書くことの本質をめぐる議論や、サブカルチャーにひそむ文字文化の意外な動向が挟まれることになるだろう。新たな日本文化史を書を通して描きたいと思う。 (本文より)

著者紹介

●松岡正剛(まつおか・せいごう)
1944年、京都生まれ。オブジェマガジン『遊』編集長、東京大学客員教授、帝塚山学院大学教授などを経て、編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。情報文化と情報技術をつなぐ研究開発に多数かかわるとともに、編集的世界観にもとづく日本文化および文字文化研究にも取り組む。おもな著書に『空海の夢』『外は、良寛。』『日本数寄』『日本流』『日本という方法』『見立て日本』『日本文化の核心』『世界のほうがおもしろすぎた』『百書繚乱』『本の自叙伝』ほか多数。玄月の号を持ち、数多くの書画作品を残している。2024年他界。2000年に開始したブックナビゲーションサイト「千夜千冊」は1850夜まで続いた。(https://1000ya.isis.ne.jp/)

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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