「バロン・サツマ」と呼ばれた男――薩摩治郎八とその時代

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  • 村上紀史郎
  • 四六上製 408ページ
    ISBN-13: 9784894346727
    刊行日: 2009/02
  • 20世紀前半、欧州社交界を風靡した伝説的快男児の真実に初めて迫る! 〈パリ日本館)創立80周年記念出版

    富豪の御曹司として600億円を蕩尽し、20世紀前半の欧州社交界を風靡した快男児、薩摩治郎八。膨大な資料と取材を元に、虚実ない交ぜの「自伝」を徹底検証し、ジョイス、ヘミングウェイ、藤田嗣治ら、めくるめく日欧文化人群像の内に日仏交流のキーパーソン〈バロン・サツマ〉を活き活きと甦らせた画期的労作。

    目次

    プロローグ バロン・サツマをもとめて

    薩摩治郎八、 28歳。 パリに日本館を建てる
    『朝日新聞』 の訃報記事


    1 綿織物の薩摩家と毛織物の杉村家

    初代は立志伝中の人
    薩摩治兵衛を援助した杉村甚兵衛
    荒れ狂う波のなかへの船出
    毛織物工業の創始者・2代目甚兵衛
    明治の富豪は 〈戦争〉 で生れた
    薩摩治兵衛 「財界の巨頭」 に
    明治の富豪たち


    2 イギリス留学での謎

    「団十郎のような役者になりたい」
    伊藤博文が建てた別荘に住む
    大磯で三島章道に兄事
    イギリス留学の時期とルートは?
    イギリス紳士の格好をした東洋の少年
    下宿はロンドン郊外の高級住宅地
    タマラ・カルサヴィナとイサドラ・ダンカン
    オックスフォード大学入学の可能性は?


    3 コナン・ドイルとアラビアのロレンス

    後見人はアーサー・ディオージー
    コナン・ドイルとの出会い
    アラビアのロレンスとの会見の真偽
    外人部隊に入ったのか
    ロンドンのお坊ちゃまたち
    治郎八は藤原義江を援助したのか
    皇太子裕仁のイギリス訪問
    パリ転居の理由


    4 パリで話題の日本貴族

    第一次世界大戦後、 円が急激に上昇
    パリジャンヌとメキシコ殿下
    モネと親しい黒木三次伯爵夫妻
    松方幸次郎と松方コレクション
    王者も及ばぬ前田利為侯爵
    社交界が三皇族の仕事場
    浪費の雄・徳川頼貞侯爵
    エピキュリアン・細川護立侯爵
    19歳で小遣い月200万円


    5 パリへの移住と初恋

    パリに移ったのは、 いつか?
    パリでの友人 ――岩崎雅通、 林龍作、 藤田嗣治
    手慰みの彫刻とエネスコのヴァイオリン
    ドラージュの家でラヴェルと出会う
    初恋の人は、 マリー・ローランサンのモデル
    ジャンヌの豪華な賛美者たち
    ポール・ポアレのパーティでの2つの星
    初恋は三角関係だった
    展望のない恋愛の打開策
    センチメンタルな短歌で初恋を封印


    6 一時帰国、 そして結婚

    駿河台にVilla mon Caprice を建てる
    小兵力士幡瀬川を後援
    『婦人画報』 に新しい仏蘭西の文芸作家を紹介
    ジル=マルシェックスの演奏会を企画
    フランスの新しい音楽が日本に与えた衝撃
    パリ日本館の建設を依頼される
    花嫁は会津のお姫様


    7 治郎八の 〈芸術品〉 と 『修禅寺物語』

    治郎八のセンスで磨かれた妻の千代
    詩人外交官・柳沢健と 『修禅寺物語』
    〈パリの文化人税関〉 松尾邦之助
    『修禅寺物語』 の背景をフジタに依頼
    藤田嗣治を罵る熊岡美彦
    『修禅寺物語』 の成功と大使館の無理解
    薩摩父子にレジオン・ド・ヌール勲章


    8 藤田嗣治と日本人画家たち

    日本館の定礎式とルーヴァン大学の日本文化講座
    パリの日本人画家たちとの交友
    清水多嘉示、 木内克、 イサム・ノグチ
    古武士のような戸田海笛
    薩摩千代と佐伯祐三
    サロン・デ・テュイルリーの日本人室


    9 パリ日本人美術家展覧会

    日本を代表する画家・彫刻家が集まる
    柳亮が尽力した日本美術大展覧会
    仏蘭西日本美術家協会を発足させる
    福島繁太郎を囲む画家たち
    〈薩摩派〉 と 〈福島派〉 の展覧会


    10 大晩餐会のワインと料理を読み解く

    ホテル・リッツに新進デザイナー、 ランヴァンの燕尾服で
    晩餐会のメニューに隠された意図
    メニューにはもう一つの仕掛けが……


    11 パリ日本館

    グラン・テカールで慰労会
    治郎八の業績に冷ややかな日本人
    日本館の館長代理エリセーエフ
    「近代的質実剛健」 な部屋に住んだ人たち
    数学者岡潔と中谷兄弟の交友
    夭折の天才考古学者、 森本六爾の恋
    林芙美子と建築家・白井晟一


    12 文芸サロンと治郎八

    ド・ラ・ロシュフコー公爵夫人とド・ポリニャック大公妃のサロン
    伝説的なミシア・セールのサロン
    ガートルード・スタインとシェイクスピア・アンド・カンパニー書店
    治郎八のもう一つの可能性、 ハリー・クロスビー

    13 アンドレ・オノラ

    治郎八が私淑したアンドレ・オノラ
    薩摩財団在京委員会と薩摩会館後援会
    日希協会理事を兼ねる
    オノラ夫妻の日本訪問
    天才ピアニスト、 原智恵子とピラ駐日大使
    オノラと東南アジアを周遊


    14 薩摩商店の閉店と千代の療養

    実家の閉店でタイの金鉱探しにのめりこむ
    タイ皇室と共にイギリスの戴冠式に列席
    プラハ美術館に日本絵画を寄附
    家業の破産は気にしていない
    メジェーヴや富士見高原で療養する千代

    15 戦時下のフランスへ

    「フランス妻」 ファビィ
    渡仏許可獲得に苦労する
    その後のパリ日本館
    戦中に渡仏したブルシェたち
    杉村大使が巴里日本美術家展を企画
    巴里日本人会、 邦人へ帰国勧告
    続々と帰国する日本人たち
    留学への決意が固い日本女性
    欧州最後の特別帰還船


    16 治郎八と第二次世界大戦

    カンヌに療養に赴きニースへ移転
    スペインの楽聖アルベニスの旧居に住む
    再びカンヌへ、 そしてまたニース
    戦時下でもハイレベルな生活
    パリの湯浅年子に花を送る
    メジェーヴへの避暑はいつか?
    親友クリードの救助劇と武勇伝
    トレイと号する美麗な別荘に避難
    戦時下のパリへ出かける
    ドイツの敗戦せまる頃
    パリ解放の日
    解放の熱狂のあとに飛び交う中傷や密告
    ドラージュの家の裏に住む
    ニースのヴィラ・マジェスティックに移り住む
    オノラの死で帰国を決意


    17 金魚鉢の中の鯨

    帰国直後に受けた原稿依頼
    カクテルやワインの知識はいまでも通用
    ツール・ド・フランスを初めて日本に紹介
    豊富なシャンソンの知識と交友関係
    「ごきげんよう」 の先生、 若い踊り子と再婚
    阿波踊りを見たあと脳卒中で倒れる
    ものを考えるときはフランス語で考えている
    シャトー・マルゴーを末期の水に 『婦人画報』


    あとがき
    参考文献
    薩摩治郎八 関連年譜(1901~76)
    薩摩治郎八 関連系図
    主要人名索引

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