新ランボー論――慈悲愛と大地母神的宇宙への憧憬

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  • 清眞人 著
  • A5上製 336頁
    ISBN-13: 9784865784121
    刊行日: 2024/1

“愛”に引き裂かれたランボー。その根底にあった渇望とは何か?

生涯反逆していたはずのカトリックに、死の直前に入信したランボーは、“聖母マリア”に、“イエス・キリスト”に、何を求めたのか。厳母との確執から“慈悲愛”を希求し、その真の実現を“汎神論的大地母神”に託したランボーの軌跡を、ボードレール、ヴェルレーヌとの深い影響関係を参照しながら精緻に読み解く、新たなランボー論の誕生。


目次

はじめに
序章
第1章 ランボーにおける《反・教会》の位相
第2章 ランボーにおけるイエスと聖母マリアの慈悲愛への窮訴、その諸相
第3章 ランボーとヴェルレーヌ
第4章 ランボーとパリ・コミューン
補論 既に私が年来培ってきた問題系について
結び――「あとがき」を兼ねて
年表(1819-1937)――思考環境の同時代性を喚起するために

人名索引/詩編名索引/事項索引

関連情報

本書は、そのサブタイトルを「慈悲愛と大地母神的宇宙への憧憬」とする。この二つの憧憬こそが、19世紀フランスの天才青年詩人アルチュール・ランボー(1854―1891)を詩の創作に駆り立てた内的衝迫に他ならないと見なすが故に。

一言でいうなら、私は青少年期のランボーの内面的苦悶の核心に、《愛》が本質的に抱えざるを得ない《性愛の我有化欲動と慈悲愛との両義的アンビヴァレンツ》を見出し、これを如何なる仕方で引き受け生き抜くべきか? その煩悶を見た。

しかも、この煩悶は当初融和ではなく過激化の形態をとって、厳母キュイフ(カトリック教会の狂信的教条主義的信徒であり、慈悲愛のいわば原型たる「母性愛」の体現者であるどころか、その欠如性において際立つ)から彼の内面に強いられたものであった。彼は、それを自分の「デリカシー」とも呼んだ。

更に、私は確認した。同時に、この煩悶が、同性愛の絆によって結ばれたランボーとヴェルレーヌとが取り交わした殆ど相互模倣と呼びうる程の詩句の共振関係――「海」の表象と、《愛》を構成するくだんの両義的アンビヴァレンツに関わって――に支えられたものであったことを。
(「はじめに」より)

著者紹介

●清眞人(きよし・まひと)
1949年生まれ、早稲田大学政経学部卒業、同大学院文学研究科哲学専攻・博士課程満期修了。元、近畿大学文芸学部教授。
本書に深く関連する著書としては、『〈受難した子供〉の眼差しとサルトル』御茶の水書房、1996 年。『実存と暴力』御茶の水書房、2004 年。『《想像的人間》としてのニーチェ――実存分析的読解』晃洋書房、2005 年。『遺産としての三木清』(共著)同時代社、2008 年。『三島由紀夫におけるニーチェ――サルトル実存的精神分析を視点として』思潮社、2010 年。『村上春樹の哲学ワールド――ニーチェ的長編四部作を読む』はるか書房、2011 年。『サルトルの誕生――ニーチェの継承者にして対決者』藤原書店、2012 年。『大地と十字架――探偵L のニーチェ調書』思潮社、2013 年。『聖書論Ⅰ 妬みの神と憐れみの神』『聖書論Ⅱ 聖書批判史考』藤原書店、2015 年。『ドストエフスキーとキリスト教――イエス主義・大地信仰・社会主義』藤原書店、2016 年。『フロムと神秘主義』藤原書店、2018 年。『高橋和巳論――宗教と文学の格闘的契り』藤原書店、2020 年。『格闘者ニーチェ(全3 分冊)』藤原書店、2022 年。個人叢書「架橋的思索 二つの救済思想のあいだ」として、第Ⅰ巻『ヴェーバーにおける合理と非合理』、第Ⅱ巻『大拙における二律背反と煩悶』、第Ⅲ巻『二人の葛藤者――ヴェーバーとトラー』、第Ⅳ巻『ニーチェにおけるキリスト教否定と仏教肯定』、『L の性愛哲学日記Ⅰ 性愛と救済』、『L の性愛哲学日記Ⅱ 王の黄金マスク』(以上、Amazon Kindle 電子書籍セルフ出版)。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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