金時鐘コレクション(全12巻) 9 故郷への訪問と詩の未来――「五十年の距離、月より遠く」ほか 文集3[第11回配本]

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  • 金時鐘 著
  • 【解説】多和田葉子 【解題】細見和之
  • 四六変上製 424頁 口絵2頁
    ISBN-13: 9784865784619
    刊行日: 2025/5

金時鐘はなぜ「思想詩人」と言われるのか。

「情感過多」な日本語に背を向け通してきた著者の、「異質」とも思える言語のエッセイ。
社会批評、文学論、あるべき詩への揺るぎない論究。
「激流の時代を生きてきたのに、何を発言しても決して重心がぶれない」(解説より)

【解説】多和田葉子
【解題】細見和之
【月報】岡葉子/なんどう照子/方政雄/向井徹

目次

Ⅰ エッセイ
ぼくの羊飼い少年/悲劇まるごと一編の詩に/五十年の距離 月より遠く/むぐらの奥、土盛の墓/この開かれない闇/「硉島」をご存じか/在ってない故郷よ/「解放」の 年、“皇国臣民”は途方に暮れ/祖国はるか 国境の新潟/いつもそばに本が/侵された死者へ心ない祈り/「アジア」への郷愁/麻疹は、文校で/教育の果て   真の解放は /私の三冊/私がいだいている済州島/現実認識における革命

Ⅱ 文学論
あるべき国へのレクイエム/二つのメモから/そこで生きとおしている人の詩/背中合わせの申し子どうし/梁石日の詩の所在/にじみ出る原景/長篇の下地を成す短篇/四 百字の「こころの書」/叡智の日本語をもった人/青春がまっ盛りであった頃のこと、/語りかけうる現実に向かって/深奥な実験詩/短歌的抒情、この無明なる深淵/命が 豊かになるとは――未来を生きる君へ/詩は現実認識における革命/私は何者なのか/詩歌に欠ける変革意識/音韻性軽んじた現代詩/やさしく響く童謡・抒情歌/季村敏夫 「花椿賞」受賞祝辞/細見和之「三好達治賞」受賞祝辞

Ⅲ 跋文集
転位への渇望/たしかな「在日」賛歌/詩集 『白と黒』をぜひ読んでもらいたいために/映像がかかえる言葉/私自身のありようを照らし出す灯り

Ⅳ 日本語に移した朝鮮の詩をめぐって
抵抗詩人の系譜/まずは六人の詩人から/尹東柱詩集『空と風と星と詩』/『朝鮮詩集』を再訳するに当たって/再度『再訳 朝鮮詩集』を連載するに当って/尹東柱・生と 詩の光芒

Ⅴ 社会批評
陰のなかの「夫婦別姓」/「南北共同宣言」で思うこと/犠牲いつも無辜の民/「拉致事件」を見つめなおして/情報化時代の昨今の今も、/人は拉われ、心は奪われ/お互 いを見つめなおす契機となるよう/拉致問題から日本と朝鮮の関係を考える/猪飼野/共鳴の裏側 “朝鮮”は遠く

Ⅵ 対話
祖国と在日を生きる意味を見据えて(金石範+金時鐘)
我らが文学と抵抗の日々を想起する(金時鐘+梁石日)

Ⅶ 講演
詩は書かれなくても存在する――私の「日本語への報復」が悟らせたもの

文集Ⅲ(第11回配本)あとがき
〈解説〉狼が見えた少年(多和田葉子)
〈解題〉故郷への訪問と詩の未来 文集Ⅲ(細見和之)


著者紹介

●金時鐘(キム・シジョン)
1929年(旧暦1928年12月)朝鮮釜山に生まれ、元山市の祖父のもとに一時預けられる。済州島で育つ。48年の「済州島四・三事件」に関わり来日。50年頃から日本語で詩作を始める。在日朝鮮人団体の文化関係の活動に携わるが、運動の路線転換以降、組織批判を受け、組織運動から離れる。兵庫県立湊川高等学校教員(1973-88年)。大阪文学学校特別アドバイザー。詩人。2022年秋、第4回アジア文学賞(韓国光州市の国立アジア文化殿堂が主管)を受賞。
主な作品として、詩集に『地平線』(ヂンダレ発行所、1955)『日本風土記』(国文社、1957)長篇詩集『新潟』(構造社、1970)『原野の詩――集成詩集』(立風書房、1991)『化石の夏――金時鐘詩集』(海風社、1998)『金時鐘詩集選 境界の詩――猪飼野詩集/光州詩片』(藤原書店、2005)『四時詩集 失くした季節』(藤原書店、2010、第41回高見順賞)『背中の地図』(河出書房新社、2018)他。評論集に『さらされるものと さらすものと』(明治図書出版、1975)『クレメンタインの歌』(文和書房、1980)『「在日」のはざまで』(立風書房、1986、第40回毎日出版文化賞。平凡社ライブラリー、2001)他。エッセーに『草むらの時――小文集』(海風社、1997)『わが生と詩』(岩波書店、2004)『朝鮮と日本に生きる』(岩波書店、2015、大佛次郎賞)他多数。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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