- 鶴見和子 著
- 解説=赤坂憲雄
- 四六上製 512頁 口絵2頁
ISBN-13: 9784894341029
刊行日: 1998/5
軽やかに飛翔する鶴見和子の思想世界!
日本民俗学の祖・柳田国男を、近代化論やプラグマティズムなどとの格闘の中から、独自の「内発的発展論」へと飛躍させた著者の思考の軌跡を描く会心作。
[月報]R・A・モース/山田慶兒/小林トミ/櫻井徳太郎
目次
序 柳田国男先生とわたし―― 『漂泊と定住と』 あとがき
水と土と人と―― 柳田学のよみかえ
創造性をどうやって育てるか
I 柳田国男の世界
土着文化の普遍化への道―― 『土着文化と外来文化』 総説
差別と非暴力抵抗の原型―― 『遠野物語』、 「毛坊主考」、 『先祖の話』 など
殺されたもののゆくえ―― かくれ里
II 柳田国男の社会変動論
われらのうちなる原始人―― 柳田国男を軸にして近代化論を考え直す
国際比較における個別性と普遍性―― 柳田国男とマリオン・リーヴィー
常民と世相史―― 社会変動論としての 『明治大正史世相篇』
漂泊と定住と―― 柳田国男のみた自然と社会とのむすび目
柳田国男の普遍性―― 内発的発展の拠り所としての柳田学
柳田国男の都鄙連続論―― 費考通、 レッドフィールドとの比較において
III 柳田国男の創造性
日本人の創造性―― 折口信夫・柳田国男・南方熊楠
創造の型としての柳田国男
創造性について―― 柳田国男と南方熊楠
柳田国男・民俗学・東北
講演 柳田国男と東北 (赤坂憲雄)
講演 『遠野物語』 を原点として東北モデルを考えよう (鶴見和子)
対談 東北・その内発的発展への道 (赤坂憲雄×鶴見和子)
あとがき
解説 柳田国男から内発的発展論へ
鶴見和子
赤坂憲雄
関連情報
南方熊楠、 柳田国男などの巨大な思想家を社会科学の視点から縦横に読み解き、 日本の伝統に深く根ざしつつ地球全体を視野に収めた思想を開花させた鶴見和子の世界を、 〈曼荼羅〉 として再編成。 人間と自然、 日本と世界、 生者と死者、 女と男などの臨界点を見据えながら、 思想的領野を拡げつづける著者の全貌に初めて肉薄、 「著作集」 の概念を超えた画期的な著作集成!
● 全巻構成 ●
〔附〕 年譜・著作総目録・総索引