後藤新平と五人の実業家――渋沢栄一・益田孝・安田善次郎・大倉喜八郎・浅野総一郎

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  • 後藤新平研究会 編著
  • 序=由井常彦
  • A5並製 240頁
    ISBN-13: 9784865782363
    刊行日: 2019/7

“内憂外患”の時代、「公共・公益」の精神で、共働して社会を作り上げた6人の男の人生の物語!

20世紀初頭から1920年代にかけて、日本は、世界にどう向き合い、どう闘ってきたか。


目次

後藤新平と五人の実業家――序にかえて 由井常彦

はじめに

■第1章 後藤新平の衛生・社会政策
 1 明治の東京計画と渋沢栄一・益田孝
 2 後藤新平と相馬事件
 3 検疫事業と衛生局長への復帰
 4 後藤新平の衛生・社会政策思想

■第2章 後藤新平と五人の実業家たちとの出会い
 1 明治の国家建設と合本主義
 2 渋沢栄一
 3 益田孝
 4 大倉喜八郎
 5 安田善次郎
 6 浅野総一郎
 7 東京商法会議所の設立

■第3章 台湾経営から満鉄へ
 1 台湾の領有と後藤新平
 2 渋沢栄一と台湾
 3 益田孝と台湾製糖
 4 大倉喜八郎と台湾
 5 満鉄の創立
 6 浅野総一郎と逓信大臣時代の後藤新平

■第4章 「国難来」の時代――世界認識と震災復興
 1 後藤新平の世界認識と国民的自治運動
 2 渋沢栄一と日米関係
 3 孫文と日中関係
 4 京浜工業地帯の形成と港湾・運河
 5 渋沢栄一らによる後藤新平東京市長就任運動
 6 安田善次郎と東京市政調査会
 7 ビーアドとヨッフェの来日
 8 関東大震災・帝都復興と実業家たち
 9 東京震災記念事業
 10 排日移民法の成立と太平洋会議

■第5章 実業家たちと後藤新平の文化・社会活動
 1 「社交空間」としての別邸
 2 東京市養育院、聖路加病院、済生会、YMCA会館
 3 帝国ホテル
 4 帝国劇場
 5 三越
 6 茶道と食養
 7 古美術と集古館
 8 「悪友会」と遊び心
 9 一中節と狂歌
 10 商業教育の系譜

エピローグ

あとがき

プロフィール(後藤新平・渋沢栄一・益田孝・安田善次郎・大倉喜八郎・浅野総一郎)

参考文献

人名注一覧

〈附〉 「後藤新平と五人の実業家」関連年譜(1837–1938)


関連情報

■後藤新平は、日本の近代化にみのがせない傑出した役割を演じた。より正確には、明治維新直後の太政官政府の時代をへて、政治の基礎が内閣制度に移行したのち登場し、明治後期から大正期にかけて日本の近代化・工業化の第二段階において、これを推進した官僚出身の政治家である。
■彼の生涯は二つにわけられる。医師としての学問と経験とを身につけて、内務省に勤務し、前衛的な内務官僚として活躍した。ついで日清戦争後の植民地台湾の民政長官として台湾の開発に大いに業績をあげた。これが前半生である。
■後半生は、日露戦争後の政治家としての時代で、彼は経済・社会の進歩のリーダーであった。明治末の二度の逓信大臣を皮切りに、大正時代になると内務大臣・外務大臣、再度の内務大臣、東京市長などを歴任した。この時代の彼の言動は、しばしば世の関心を集め、ときには総理大臣に擬されたりした。
■後藤新平と、有力な実業家たちとの密接な関係ができたのは、台湾銀行・台湾製糖の創立にかかわるものである。渋沢栄一(1840-1931)、大倉喜八郎(1837-1928)、そして益田孝(1848-1938)の三人が最初のグループである。
■銀行家の安田善次郎(1838-1921)が後藤新平に近づいたのは、大正時代になってから、後藤新平が次々に雄大な都市計画の構想を打ち出してからのことである。浅野総一郎(1848-1930)は「大ぼら吹き」と称されたから、後藤の「大風呂敷」の政治家とは相通ずるところがあった。
■彼ら五人の実業家は、後藤新平としばしば協力・支援・理想を共にしている。だが過去において、これら実業家と後藤新平との関係をとりまとめた学界内外での研究は、見当らない。(由井常彦)


【著者紹介】
●由井常彦(ゆい・つねひこ)
1931年生まれ。明治大学名誉教授、公益財団法人三井文庫常務理事・文庫長。専門は経営史学。主著に『清廉の経営――「都鄙問答」と現代』(日本経済新聞出版社)『安田善次郎 果報は練って待て』(ミネルヴァ日本評伝選)『講話 歴史が語る「日本の経営」――その進化と試練』(PHP研究所)『『都鄙問答』と石門心学――近世の市場経済と日本の経済学・経営学』(冨山房インターナショナル)、など。

●後藤新平(ごとう・しんぺい)
1857年、水沢(現岩手県奥州市)の武家に生まれ、藩校をへて福島の須賀川医学校卒。1880年(明治13)、弱冠23歳で愛知病院長兼愛知医学校長に。板垣退助の岐阜遭難事件に駆けつけ名を馳せる。83年内務省衛生局に。90年春ドイツ留学。帰国後衛生局長。相馬事件に連座し衛生局を辞す。日清戦争帰還兵の検疫に手腕を発揮し、衛生局長に復す。98年、児玉源太郎総督の下、台湾民政局長(後に民政長官)に。台湾近代化に努める。1906年9月、初代満鉄総裁に就任、満鉄調査部を作り満洲経営の基礎を築く。08年夏より第二次・第三次桂太郎内閣の逓相。その後鉄道院総裁・拓殖局副総裁を兼ねた。16年秋、寺内内閣の内相、18年春外相に。20年暮東京市長となり、腐敗した市政の刷新、市民による自治の推進、東京の近代化を図る「八億円計画」を提唱。22年秋アメリカの歴史家ビーアドを招く。23年春、ソ連極東代表のヨッフェを私的に招き、日ソ国交回復に尽力する。23年の関東大震災直後、第二次山本権兵衛内閣の内相兼帝都復興院総裁となり、再びビーアドを緊急招聘、大規模な復興計画を立案。政界引退後は、東京放送局(現NHK)初代総裁、少年団(ボーイスカウト)総長を歴任、「政治の倫理化」を訴え、全国を遊説した。1929年遊説途上、京都で死去。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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